前回は、日本人は骨に不可欠なカルシウムが不足しているということを学びました。では、私たちは食事の際にどんなことに気をつければいいのでしょうか? 佐藤秀美先生にお話を伺っていきます。
強い骨プロジェクト㉒
カルシウム×ビタミンD×Kが
ゴールデントライアングル
「もちろんカルシウムをしっかり摂取することが大切です。しかしそれに加え、カルシウムを骨の形成に働かせるためには、ビタミンDとビタミンKが不可欠です。ビタミンDはカルシウムを腸管から吸収するのを促進する、いわば運搬車的な役割を果たします。また、ビタミンKはカルシウムが骨に沈着するのをサポートしてくれます」
と、佐藤秀美先生。
つまりカルシウムだけを摂取しても、ビタミンDとKがないと、強い骨づくりに生かされないということ。
「私はこれを骨づくりの“ゴールデントライアングル”と呼んでいます」
骨粗しょう症の治療薬にも、活性型ビタミンD3製剤やビタミンK2製剤などがあるほど。強い骨をつくるためには、この3つの栄養素が不可欠。
「それにプラスして油脂も必要です。ビタミンDもKも脂溶性のため、油がないと吸収されにくいのです。このように、お互いにサポートし合うものをバランスよく摂取することが大切」
では、どのようなものを食べればいいのでしょうか? 次回の連載から紹介していきます。
次ページで、骨づくりに欠かせない”ゴールデントライアングル”についてまとめました。
ゴールデントライアングル
骨の主成分であるカルシウム、その腸管での吸収を促すビタミンD、カルシウムを骨に沈着させるビタミンKの3つが重要。さらに脂溶性ビタミンの吸収を助ける油脂をプラス!
カルシウム:骨の構成成分になり、心拍や筋肉の収縮、ホルモン分泌や神経の働きなどに関与している、生命維持に欠かせない栄養素。
ビタミンD:カルシウムの吸収を高めます。
ビタミンK:カルシウムが骨へ沈着するのを促します。ビタミンDもKも骨粗しょう症の治療薬にも使用されています。
油:脂溶性ビタミンであるDとKを小腸から吸収するには、油脂の助けが必要になります
次回は、骨力アップのための食材選びについてご紹介します。
構成・原文/山村浩子