便秘をこじらせると20年後に骨盤底筋疾患を招く心配も。日頃の生活習慣を見直して、自分に合う便秘解消法を見つけましょう。
教えてくれたのは…
山名哲郎さん Tetsuo Yamana
松峯寿美さん Hisami Matsumine
排便時は前かがみのポーズがおすすめ
排便時にロダンの〝考える人〞のようなポーズをとると、直腸と肛門の角度が広がり、便が出やすくなるのを知っていますか? 洋式トイレの便座に背筋を伸ばして座ると、直腸から肛門までの角度はほぼ直角になります。この姿勢だと肛門が閉じている状態になるため、便が出にくくなります。一方、前かがみの姿勢をとると、骨盤底筋が自然と緩んで、便が出やすくなるのです」(山名先生)
このとき、かかとを軽く上げると、便意に合わせて腹筋をかけやすくなります。ただし、いきむのは数秒程度にして、長くいきまないように注意。もしも便が出ないときは無理に出そうとしないで、次に便意を感じたときにトイレに行きましょう。
便意を感じたら我慢しない
女性が便秘しやすいのは、家族の介護や仕事など、さまざまな事情で我慢してしまうケースが多いから。でも、排便反射が起きて、「トイレ に行きたい!」と思ったときに排便しないと便意が遠のき、排便習慣が乱れがちになることが多いのです。「便意を我慢して排便サイクルが乱れたときは、次に便意を感じたときに逃さずにトイレに行くことが大事です。そして、『今日はいいうんちが出た』という日は、自分の食事内容の何がよかったのか、振り返ってみてください」(松峯先生)
乳製品や飲み物など、「私に効く食べ物はこれ」というのが何品目かあると安心です。いざというときに試してみましょう。そして便意を感 じたら、そのタイミングを逃さないことが肝心です。
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/大石久恵