【東洋医学からアプローチ】足がつりやすいのはこんな人
巡りのよい体づくりを目指しましょう
「東洋医学では不調の原因を全身の問題としてとらえます」と漢方カウンセラーの樫出恒代さん。ふくらはぎがつると、その部分だけにとらわれてしまいがち。でも、実際には「気、血、水」のバランスが乱れて、巡らない体になっていることが根本的な原因です。「自分は暑がり、と思っていても、内臓や太ももが冷えているケースが少なくありません。でも、気づいていないんですよ」
足のつりは筋肉が硬直して起こるので、筋肉を緩めることがポイント。足だけでなく、太ももや腰、お腹を温めると血流がよくなります。
「私たちのおへその下には〝丹田〞という気を貯蔵する場所があります。丹田を意識した呼吸で、巡りのよい体づくりをしましょう」
【巡りが悪い"血虚"の人はつりやすい 】
□ 肌がカサカサしている
□ 肌にツヤがない
□ 顔色が悪いと言われることがある
□ 目が疲れやすい
□ 髪にツヤがなく、枝毛になりやすい
□ 体が冷えやすい
東洋医学では「気」(=エネルギー)、「血」(=血液)、「水」(=体液)の3つが作用し合って体内を循環し、健康を保つと考えられています。足がつりやすい人はそのバランスが乱れて、血の巡りが悪い〝血虚〞に傾いている可能性が。上のチェックに多く当てはまる人は要注意です。
気を張っているときは、筋肉の冷えや緊張を招きやすい
仕事で気を張っている人は、気づかないうちに筋肉が張ってしまいがち。筋肉が硬くなると冷えや緊張を招き、足がつりやすくなります。「足のつりは、ふくらはぎだけの問題ではありません。心と体はつながっています。足湯やマッサージで筋肉を緩めてあげると、心の緊張がほぐれ、血の巡りがよくなりますよ」(樫出さん)
上半身が暑がりでも、下半身は冷えている!?
更年期の代表的な症状〝ホットフラッシュ〞は、体がほてるのが特徴です。「でも、実は暑いと感じているのは上半身だけで、内臓や下半身は冷えているケースが多いんです」と樫出さん。〝ほてり〞と〝冷え〞が同時に引き起こされてしまうのは、巡りの悪い体になっているため。「自分は暑がり」と思っている人も、下半身を冷やさないように心がけることが、足のつりの改善につながります。
体の中の酸素が不足していると、血行が悪くなる
眠りの質が悪く、足が冷えてつりやすい人は、気の巡りも、血の巡りも悪くなっている状態。「私たちの体内を流れる血液は、体の隅々まで酸素を運んでくれていますが、血流が悪いときは体内の酸素が不足していると考えられます」(樫出さん)。全身に酸素が巡る体をつくるためにも、就寝前には呼吸法でリラックスを。
イラスト/かくたりかこ 取材・原文/大石久恵