こんにちは、ミーナです。「脳」にいい様々な生活のヒントをお届けしているシリーズです。なんと、足裏磨きが脳にいいそうです!身だしなみアップも、脳の活力アップも、一石二鳥なんてうれしいですよね。
脳を健やかに育てる「脳トレ生活」
長年、人工知能のエンジニアとして脳の研究をしてきた黒川伊保子さん。
脳を「装置」として見立て、どのような入力に対してどのような演算が行われ、どう出力されるのかを追求してこられました。
そこで、脳の専門家である黒川先生に、脳を健やかに育てるための術を7つ伺いました。
今回は、脳へ刺激を与えるという、足裏磨きによる脳育て術をご紹介します。
【6】
足裏を磨く
歩くことで
脳に重要な信号が届く
人類は、二足歩行によって格段の脳進化を遂げてきました。「歩く」という行為によってもたらされる信号は、脳への最大の刺激のひとつと言っても過言ではありません。
歩くときに信号を受け取り活性化するのは、脳の中でも「小脳」と呼ばれる部位になります。小脳は、空間認識と空間制御を司る器官。「歩く・しゃべる・飲み物を飲み下す」など、生活に必要な筋肉の複雑な制御を担当しています。それに加え、「直感」にも深いかかわりがあることが、最近の研究でわかってきました。
歩くこと、体を動かすことは、小脳への刺激となり、子どもには知力やセンスをもたらします。大人なら発想力が豊かになりますし、老齢に至ってからは、生活能力を落とさないための大切なエクササイズとなります。よく「人間は歩けなくなるとボケる」といいますが、これなどはまさに真理を突いている言葉です。
そんな中、最近の研究で、足裏をブラッシングすると血中酸素濃度が上がり、毛細血管が活性化することがわかってきました。脳は、毛細血管に行きわたる酸素によって機能している最たる臓器です。
そういう意味では、「足裏磨きは脳磨き」といえるのかもしれません。
歯磨きと同じく、
足裏磨きも習慣に
マイエイジ世代の中には、「かかとはガサガサしているのに足指の間はべたつく」という悩みを抱えている人もいるでしょう。実は足の裏に硬い角質があると、老けて見えるだけでなく、つまずきやすくもなります。
それは歩く際に脳が必要としている、路面の滑り具合や段差などの情報が上がりにくくなるから。程度によっては、深刻な老化問題に発展する可能性もあります。
そこで私がおすすめしているのが、摩擦力のあるブラシを使っての足裏磨きです。専用のフットブラシを使って、余分な角質を徹底的に磨き落としてください。角質を磨けば角質層にすむ菌もいなくなるので、水虫や嫌なにおいからも解放されます。
足裏がスベスベになるだけでなく、脳の劣化防止にも役立つ足裏磨き。歯磨きのように、毎日の習慣にしていきましょう。
◎Key Point
● 最近の研究で、足裏をブラッシングすると血中酸素濃度が上がり、毛細血管が活性化することがわかってきた
● 脳は、毛細血管に行きわたる酸素によって機能している最たる臓器。「足裏磨きは脳磨き」といえるかも!?
次回、最終回の7回目では、幸せ脳へ導くための食べ物、食べ方についてご紹介します。
撮影/小山志麻 イラスト/内藤しなこ 構成・原文/上田恵子