こんにちは。睡眠不足気味ということはあっても、「眠れない」ということは全くないミーナです。何も用事がない休日などは、放っておくと平気で夕方まで眠っているほど。寝すぎると、腰が痛いんですけどね。でも、肝心なのは「よい睡眠」なので、このシリーズで勉強します。
「眠る力」を取り戻す!
私たちが快眠を得るためには、具体的にどのようなことをすればいいのでしょうか?
専門のクリニックで受けられる治療と、自分で日常的にできることの両面から紹介します。
まずはクリニックでの治療について。
クリニックでの治療には、睡眠薬の処方と薬を使わない「認知行動療法」のふたつがあります。
クリニックで受けられる治療のひとつに、睡眠薬の処方があります。
睡眠薬は、作用時間によって次の4つのタイプに分けられます。
●超短時間作用型
作用する時間は4時間以内。
入眠困難が目立つタイプや、寝つきが悪い人に適している。
●短時間作用型
作用が4〜10時間続き、中途覚醒や熟眠障害に有効。
●中間作用型・長時間作用型
長いものでは40時間以上作用が続くものもあり、
不眠による日中のストレスや不安をやわらげる効果も。
熟眠障害や早朝覚醒の治療に必要になることがある。
「睡眠薬は怖い、飲み続けるとボケると心配している人もいますが、
現在処方されている睡眠薬に深刻な副作用はほとんどありません」というのは
「睡眠総合ケアクリニック代々木」の伊東先生。
もうひとつの治療法が、非薬物療法である「認知行動療法」というもの。
これは睡眠薬だけに頼らず、日頃の生活習慣を修正することで
眠れる状態にもっていく方法です。
●刺激制御法
寝室を寝るためだけに使用し、眠くなるまで入らない。
夜中に目が覚めたら別の部屋で過ごして、
眠くなったら寝室に戻る。
●睡眠制御法
平均睡眠時間を出し、その時間プラス15分のみ寝床にいる。
●筋弛緩療法
不眠の人は就寝中も緊張が取れないことが多いので、
筋肉の緊張を意識させ、制御方法を学ぶ。
●自律訓練法
集中や自己暗示の練習を段階的に行って全身の緊張を解き、
セルフコントロールできるようにする。
「いずれも医師や臨床心理士の指導のもとで行います。
これらの療法を複数組み合わせることもあります」
次回以降、自分でできる対策についてご紹介していきます。
伊東若子さん Wakako Ito
秋田大学医学部卒業後、旭川医科大学精神科等を経て
サウスカロライナ大学へ留学。
2014年より「睡眠総合ケアクリニック代々木」勤務。
「不眠症は治療できます。一人で悩まず気軽に受診してください」。
撮影/板野賢治 取材・原文/上田恵子
撮影協力/プロップス ナウ UTUWA