体が硬い人も! もっと筋トレを効かせたい人も!
おうちでできる「筋ストレッチ」
体がカチコチで運動の習慣がないから、筋トレをしようにも動作がうまくできない…。筋トレの運動をしても、体の動きがスムーズでなく効きもイマイチな気がする…。
そんな人は、筋肉を柔らかくほぐす=「筋ストレッチ」から始めるのがおすすめです。
家の中でできる動作ばかりだから、無理なくできて簡単! ストレッチでも「筋活」を!
ここでは、多くのアスリートなどの運動指導や体の治療を行っている、岩井隆彰さんに「筋ストレッチ」について教えていただきます。
今回はまず、そもそも「筋ストレッチ」って何? というところから、「筋ストレッチ」がどのような効果を生むかなどを詳しく解説していただきます。
指導していただいたのは
岩井隆彰さん Takaaki Iwai
profile
1978年生まれ。「ジール」代表取締役。
メディカルおよびフィジカルトレーナーとして、
サッカー日本代表選手やプロ野球選手、モデルなど、
多くのアスリートや著名人の運動指導や体の治療を行っている。
業界では、体を根本から改善するゴッドハンドとして有名。
「城山整骨院」院長ほか、複数の場所で治療に従事。
近著『5回ひねるだけで痛みが消える!「背中ゆるめ」ストレッチ』
(青春出版社)が好評発売中。
ジール事務局 TEL:0465ー34ー5222
Q どうして体が硬くなるの?
A「硬い筋肉が、体の硬さを招いています」
体が硬いとは、関節を動かせる範囲、可動域が狭い状態のことを指します。この可動域は、関節をとり巻く筋肉の柔軟性に大きく左右されます。 筋肉は関節の動きとともに伸び縮みしますが、加齢や長時間のデスクワーク、運動不足などが原因で、筋肉が緊張状態になり、硬くこわばって伸びが悪くなります。すると、関節の動きに制限をかけて、いわゆる硬い体になってしまうのです。
Q 体が硬くて筋トレの動作ができません。
A「そんな人には筋ストレッチがおすすめ!」
硬い体は、筋肉の伸びが悪く、関節の動きにも制限がかかるため、例えば、脚を高く上げようとしても痛くて上がらなかったりと、筋トレの動作がうまくできません。また、体の動きが悪いためにケガをしやすい、コリや疲れが取れない、太りやすいなど、リスクがいっぱいです。
Q 筋ストレッチって何ですか?
A「筋肉を柔らかく戻すための、最善の方法です」
筋肉は無数の筋線維でできていますが、加齢や運動不足などにより筋肉が硬くなると、弱った筋線維が蓄積。「筋ストレッチ」は、筋肉の奥まで十分に伸ばすことで、この筋線維に負荷をかけて切り、新しい良質な筋線維を生み出すストレッチです。質のいい線維の割合が高まれば、筋肉が柔らかくなり、可動域が広がります。
Q 筋トレの前に筋ストレッチをすると、"より効く"って本当?
A「本当です! 効率的に鍛えられます」
筋肉は縮んだり緩んだり、ポンプのような動きを繰り返し、血液を全身に運ぶサポートをします。筋肉が柔らかくなると伸び縮みの幅が広がり、ポンプ力が強くなるため、血流がアップ。結果、脂肪燃焼効果や疲れの回復力が高まります。関節の可動域も広がるので、動きがスムーズになり、ケガ予防もできて、いいことずくめです!
筋肉を柔軟にし、
可動域を広げるストレッチを!
「筋肉が、加齢や運動不足、長時間の同じ姿勢などで硬くなると、可動域が狭まってしまい、筋トレしようにも体は思うように動きません。だからこそ、硬くなった筋肉を柔らかい状態に戻す、『筋ストレッチ』を行うことをおすすめします」(岩井隆彰さん)
ストレッチとは体を伸ばすこと。ただ一般的なストレッチだと、筋肉を伸ばしきれていないことが多く、体の柔軟性を取り戻すことはできないのです。
「『筋ストレッチ』は、次回ご紹介する3つのポイントを基本にした、筋肉の奥深くまで最大限に伸ばすストレッチです。これを行うと、筋肉を硬くする質の悪い筋線維だけが切れて、伸びのいい良質な筋線維が残り、それにより良質な筋線維の割合を増やすことができます。その結果、可動域の広い、柔らかい体へと変えることができるのです。
この連載の③以降で紹介する、同じ動作を繰り返す『筋ストレッチ法』を実践すれば、体が硬い人はそれだけで、筋肉量を増やす筋トレ効果も期待できるし、硬くない人も、筋トレ前に行うだけでより効きのいい体になるので、ぜひ行ってみてください」
次回は、筋肉を伸ばす3つのポイントを基本にした「筋ストレッチ」について、詳しくご紹介します。
イラスト/かくたりかこ 指導&監修/岩井隆彰 構成・原文/中島 彩