朝はお布団から出るのが辛く感じるほど、寒くて冷える日が続いていますよね。
「“冷え”は体にとって困ったこと。体温を上げようと体が頑張ってしまうため、バテやすくなってしまうのです」とは、明治国際医療大学 鍼灸学部 学部長の伊藤和憲先生です。
冷えの原因は年代によって違う!?
「寒い季節という外的環境だけでなく、ストレスや内臓機能・筋肉量の低下など冷えの原因はさまざま。実は、女性ホルモンの変化により年代によってどの原因に影響を受けやすいのかが異なる傾向があります」
〈20代〜30代はストレスの影響を受けやすい〉
「両手・両肘を合わせてまっすぐ上に挙げた時に肘がどの高さにくるかを確認してください。口から鼻の高さに上がるのが正常で、上がらない場合は体が硬くなっているストレス型です」
筋肉がこわばり血液循環が悪くなると、肌のくすみにも影響してしまうとか。アロマや全身を温める入浴などでリラックスを心がけたり、ポケットタイプのカイロで末端を温めるのがおすすめとのこと。
〈40〜50代は内臓機能低下の影響を受けやすい〉
「舌の色は内蔵機能の状態を反映しています。正常な淡紅色に対し、白っぽくなっている場合は内臓機能が低下している可能性大。冷えやすい、疲れやすいなどを自覚しているのでは? また、紫色も血液の滞りを表しています。深部から温める必要がありますね」
食事で体の内側から温めるほか、カイロなどでお腹や背中を温めて。特に背中は交感神経と深く関わっているので、温めることで血流が良くなるんですって。
〈60代以上は筋量低下の影響を受けやすい〉
「片脚を5cmほど床から浮かせて、そのまま立っていられる時間で筋量を判断します。60歳代の平均は44秒です」
平均時間より早く体がフラフラ揺れ始めてしまうのは筋力が弱い証拠。体内で熱を作り出す力が弱いため冷えやすくなります。3分ゆっくり歩いたら3分早く歩く〈インターバル歩行〉も筋力を鍛える運動にいいとされています。60代未満のOurAge世代も、筋量低下を自覚しているなら取り入れてみては? また、背中と腰をお灸で温めるのも良いとのこと。
国内でトップシェアを誇り、いろいろなタイプのカイロを展開しているのが「桐灰(きりばい)化学」。大阪に本社があり、社員はコテコテの関西人だらけと聞き、それでこのネーミングにパッケージ♪と何となくいい意味で納得。
通常のカイロより平均温度が10℃高い61℃という「マグマ」はスキー場など極寒の場などで。カイロの片面に指先を入れられるポケット付きの「ポケぽか」は傘やバッグを持っている時にも便利そう。
天然蒸気で温める「あずきのチカラ」はおなか用、首肩用、目もと用、フェイス蒸しのほか、腰や首筋などいろいろな部位に使うやすいヒモ付きタイプも。
ヒモ付きの「どこでもベルト」。電子レンジで加熱するタイプなので250回繰り返して使えます。内臓機能低下で冷えやすい私たちOurAge世代は、こんなアイテムで背中を温めるのも良さそうですよ。
「単なる冷えと思いがちですが、肩こりや頭痛などの運動器疾患、不眠などのストレス疾患、ほかにも便秘、代謝障害などを招く恐れもあるので放っておかずにぜひ防ぐ対策を」と伊藤先生。
マフラーに手袋、そして自分に合ったカイロを上手に活用してこの冬を乗り切っていきたいですね。あ、桐灰化学の「足の冷えない不思議なタイツ」も興味深い〜と思いましたよ!
取材・文/佐藤素美