加齢とともに気になってくる、尿もれやポッコリお腹。これは骨盤底筋の衰えが大きな原因です。そこで婦人科医の高尾美穂先生が提唱するのが「超かんたんヨガ」。毎日の習慣にして、更年期世代の要、骨盤底筋から体の若返りを目指しましょう!
骨盤底筋の強化に 「超かんたんヨガ」が効く!
「骨盤底筋は、自分では意識しにくく鍛えづらい部位なので、過去に骨盤底筋のトレーニングを行なったけれど、いまひとつ効果が実感できなかったという人もいるかもしれません。そんな問題を解決すべく、私がこれまでに指導、研究したヨガのポーズの中から確実に効果があるものだけを厳選したのが"超かんたんヨガ"です。大きく分けると、骨盤底筋に直接アプローチするふたつのポーズと、腹横筋や多裂筋など、骨盤底筋を取り巻く筋肉を鍛えることで間接的に強化するポーズの2種。これらを組み合わせて続ければ、効果的に骨盤底筋が鍛えられます。各ポーズは9秒キープするだけだから、すきま時間に手軽にできますよ」(高尾美穂先生)
超かんたんヨガを行うときの5つのルール
Rule①ポーズの完成形を9秒キープ
次回から掲載するそれぞれのヨガの、プロセスの最後の写真がポーズの完成形。これを9秒間キープするのが基本です。各ポーズ1回でいいので、忙しい人でもすきま時間にトライできます。
Rule②アプローチする部分と呼吸を意識
各ポーズごとに、どこの筋肉にアプローチするかを書いてあるので、その部分に意識を向けて。鼻から吸って鼻から吐く腹式呼吸をしながら、その部位に息を送るイメージで行いましょう。
Rule③3〜5種を組み合わせて、1日5分を習慣に
ポーズによって効く部位が異なるので、特定のポーズに偏るよりは、いろいろなポーズにトライするのがおすすめ。3〜5種を組み合わせて、1日5分を目安に継続しましょう。
Rule④毎日続ける
忙しい毎日の中でも、1日5分だけはヨガタイムを確保して、毎日継続するのが理想的。続けるほど若返り効果は加速するので、1〜2ポーズでもいいからコツコツと続けましょう。
Rule⑤無理はしない
きつく感じるポーズを無理に行うと、ケガの原因になることも。痛みなど、体に何らかの違和感を感じたらすぐに中止しましょう。また、体調が悪いときは、無理に行わず休むこと。
「超かんたんヨガ」Q & A
Q 好きなポーズだけやってもいい?
A 「いろんなポーズをやったほうがいいですが、ヨガ初心者の人や、運動が苦手な人は、自分ができそうなものからトライしてもOK。慣れてきたら、別のポーズにチャレンジを」
Q 一日のうち、 いつやるといい?
A 「落ち着いてできるときなら、いつでもOKです。起床後に行えば一日を元気にスタートできますし、就寝前にすればぐっすり眠れます。ただし、食後は1時間以上あけて」
Q 毎日やらないとダメ?
A 「続けるほど効果が高まるので、たまにまとめてやるより、1~2ポーズでも毎日やるほうがおすすめ。難しいなら曜日を決めて行うなど、ライフスタイルに合わせて習慣化を」
Q 体が硬くてポーズができません
A 「完璧に同じ形を目指さなくても、無理のない範囲で〝気持ちいいな〞〝この筋肉がじわっと伸びているな〞などと感じられれば十分。続けると少しずつ完成形に近づきます」
ながらエクササイズもプラスすると効果アップ
デスクワークの合間や、ソファに座ってくつろいでいるときなどにも"ながらエクササイズ"で骨盤底筋を強化。
「椅子にやや浅めに腰かけ、クッションや丸めたバスタオルを太ももの間に挟んで5分キープ。このとき背中を起こし、お腹に力を入れ、トイレを我慢するように膣周辺にキュッと力を入れましょう。これをちょこちょこと行なって。電車の中や信号待ちのときなどに、肛門をキュッと締めたり緩めたりを繰り返すのも効果的」
椅子に浅めに腰かけ、太ももの間にクッションなどを挟んで5分間キープ。このとき膣周辺にキュッと力を入れましょう。肛門を締めるようにしてもOK。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/木村三喜 モデル/島村まみ スタイリスト/程野祐子 イラスト/内藤しなこ 構成・原文/和田美穂