withコロナの今、体のあちこちが痛い、だるいと訴える人が続出中。それは「座りすぎ」の影響では…と、うすうす気がついていますよね? 座りすぎの健康リスクについて、早稲田大学スポーツ科学学術院教授の岡浩一朗先生にお話を伺いました。
お話を伺ったのは
岡 浩一朗さん
Koichiro Oka
1970年生まれ。早稲田大学スポーツ科学学術院教授。子どもから高齢者までの生活習慣改善支援、特に運動の習慣化、および「座りすぎ対策」に関する研究に従事。ホームページはコチラ
座りすぎは全身に悪影響が。動かないことが病気に直結
「コロナ禍によって在宅ワークが増え、これまで以上に“座りすぎ”問題がクローズアップされています。日本の住宅は狭いので、職場と同じように過ごしているつもりでも、立ち上がって歩く距離は思った以上に短く、体を動かす時間がない。
通勤時間があれば、ある程度は体を動かせますが、在宅勤務ではその時間も失われてしまいます。
座りっぱなしによる悪影響というと、腰痛や肩こりなど、直接感じるつらさだけに目がいきがちですが、実は、さらに大きな健康被害が待ち受けていることを忘れてはいけません」
そう警鐘を鳴らすのは、国内の「座りすぎ」研究の第一人者である岡浩一朗先生です。岡浩一朗先生によれば、座っている状態は、寝転んでいるのとあまり変わらないほど筋肉を使わない状態なのだとか。
そんな時間が長くなれば、確かに全身が衰えてしまいそうです。
「座りすぎの健康リスクについては世界中で研究が進んでいて、肥満や糖尿病など、メタボリックシンドロームに直結することがわかっています。
その先には心疾患、脳卒中、がん…さらには寿命が短くなるという科学的データも出てきているんです」
そのほか血行不良、筋力低下、肥満、糖尿病、うつ病、エコノミークラス症候群、高血圧、心臓病、認知症、がんリスクなどにも影響があります。
次回は、体に悪い3つの座り方をチェックします。
撮影/露木聡子 ヘア&メイク/小林 懸(glams) モデル/くらさわかずえ スタイリスト/日置 彩 イラスト/山崎真理子 構成・原文/蓮見則子
※この記事はMyAge2020年冬号に掲載されたものです。記事中の商品の価格は、税抜価格で表示されています。商品をお買い求めの際は消費税を含めた総額をご確認ください。