ぽっこりお腹を腹筋運動で引き締めたいけど、腰を痛めないか心配で…。運動を始めても長続きせず三日坊主に…。といった、運動することへの不安や疑問に、スポーツドクターの中村格子先生と高尾美穂先生がズバリ回答します。
Q 腹筋運動をしたいけれど、腰痛が心配
A 骨盤を水平に保って行う腹筋運動を
「あお向けで上体を起こす腹筋運動は骨盤が後傾して椎間板を痛め、腰痛の原因に。これを防ぐにはローラーなどを肩甲骨の下に置き、骨盤を水平に保った状態で、ローラーを肩甲骨で後ろに押すようにする腹筋運動を。腰を痛めずに腹筋が鍛えられます」(中村格子先生)
あお向けで両膝を立て、肩甲骨の下にローラー(丸めたヨガマットやストレッチポールなどでもOK)を置き、頭の後ろで手を組みます
骨盤を水平に保ったまま肋骨を骨盤に近づけ、肩甲骨でローラーを後ろに押すようにし、もとに戻します。恥骨が上がらないように注意して行って
Q 運動を始めても長続きしません。続けるコツとは?
A 自分が楽しいと思える運動を見つけたり、一緒に運動をする仲間を作る
「自分が楽しいと思える運動と出会うのが、続ける最大の秘訣。例えばバレエなど、昔からずっとやってみたかったというような運動をするのもいいと思います。そして運動を少しでもやってみて、調子がよくなったなと体感すると続くと思います」(中村格子先生)。
「女性は、ジム友を作るなど一緒に運動ができる仲間を作るとモチベーション維持につながりやすいようです。また、山登りなど日常とは違う環境で行う運動をすることも、楽しく運動を続けるコツだと思います」(高尾美穂先生)
Q 何もないところでつまずきがち。防ぐのにいい運動って?
A かかと歩き&つま先歩き、接地面が動く運動などが効果的
「つまずきやすくなるのは固有感覚の衰えが大きな原因。固有感覚とは重力に対して関節や筋肉などをどの位置や角度にもっていくとよいかを瞬時に感知し、脊髄に伝えるセンサーのようなもの。体の関節や足裏などに備わっていますが、加齢や運動不足、足裏の刺激不足などで衰えます。
足裏をボールで刺激したり、砂浜や砂利道を歩いたり、かかと歩きやつま先歩きをしたり、サーフィンなど接地面が動くものの上でバランスをとって行うような運動で鍛えられるので取り入れて」(中村格子先生)
答えてくれたのは
整形外科医
中村格子さん
Kakuko Nakamura
Dr.KAKUKOスポーツクリニック理事長。医学博士。スポーツドクター。日本オリンピック委員会(JOC)医学サポートスタッフ。日本体操協会専任メディカルスタッフ(新体操)。近著(共著)に『整形外科医がすすめる一生スタスタ歩けるフリフリ体操』(学研プラス)
産婦人科医
高尾美穂さん
Miho Takao
イーク表参道副院長。医学博士。スポーツドクター。ヨガ指導者。診療の傍ら、アプリstand.fm「高尾美穂からのリアルボイス」でリスナーの多様な悩みに回答し、510万再生を超える人気に。著書に『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)など
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/木村三喜 スタイリスト/程野祐子 イラスト/いいあい 取材・原文/和田美穂