腰をひねる機会が少ないことや、長時間の座り姿勢などによって
脇腹の腹斜筋が衰えることが、ウエストに“浮き輪肉”がつく原因
パンツをはいたときに腰まわりにのっかる “浮き輪肉”を気にしている40代、50代は多いと思いますが、その原因についてKAORUさんに伺いました。
「ウエストのくびれは、脇腹にある腹斜筋という筋肉がしっかり鍛えられていることで生まれますが、日常生活では腰をひねる動きをする機会が少ないため、腹斜筋はあまり使われません。それに加えて、私たちは普段座っていることが多いため、体側部が縮んで硬くなってしまっている人がほとんどです。この状態だと腹斜筋が余計に使われにくくなり、どんどん衰えてしまいます。その結果、ウエストまわりに脂肪がつきやすくなって、たるみやすくもなるため、“浮き輪肉”状態になってしまうのです」(KAORUさん)
では、くびれを取り戻すためには?
「くびれをつくるには、『さぼり筋』である腹斜筋を鍛える必要があるのですが、その前に、硬くなっている体側部をほぐしてから、ストレッチで伸ばして柔軟性を高めることがポイント。そのうえで腹斜筋を強化するトレーニングをすると効果的に鍛えられ、ウエストが引き締まります。ウエストは、お尻や太ももなどに比べてエクササイズの効果が早く出やすい部分です。ウエストがくびれていれば、それだけでスタイルがよく見えるのでぜひ実践してみて!」
以下が、KAORUさんおすすめのくびれを作る「ゆる筋トレ」!
STEP1 「ほぐす」
体側をほぐす
① 体の右側を下にして横になり、両膝は軽く曲げます。右わきから股関節まで一直線になるようにひじで体を支えて上体を起こし、肋骨と骨盤の間にフォームローラーを当てます。
② 左膝を床につけて、左手を右手に重ねてうつ伏せになり、体を縦に動かしてフォームローラーで右の体側部の前側を刺激してほぐします。これを5往復。
※フォームローラーは、筋膜リリース用のローラーならなんでもOK。ない場合は、細長いステンレスボトルなどにバスタオルを巻いて円柱状にして使ってもOK。
③ 左膝を戻して①のポーズに戻ったら、今度は左膝を開いて右のお尻を軽く下ろします。左手で左膝を押さえながら、体を縦に動かしてフォームローラーで右の体側部の後ろ側を刺激してほぐします。これを5往復。終わったら反対側も同様に。
STEP2 「伸ばす」
ウエストのストレッチ
① 床に座って右脚は真っすぐに伸ばし、左足を右脚の外側に置きます。骨盤を立てて背すじを伸ばし、手は体の横に置きましょう。
② 右ひじで左膝を押さえ、左手は体の後ろにつきます。
③ 肋骨から体を左にひねって後ろを向き、そのまま3呼吸。終わったら反対側も同様に。左右各1回。
STEP3 「強化する」
腹斜筋を鍛えるツイストクランチ
① あお向けに寝て、両膝を立て、頭の後ろで両手を組みます。
② お尻と内ももを締めて、両膝を右側に倒します。
③ そのまま頭を浮かしてあごを少し上に向けながら息を吐きます。このとき自然に肋骨が締まるので、その感覚を意識しましょう。②③を10回。次に反対側に膝を倒して同様に。
これはNG!
頭を浮かすときにあごを引くと、腹斜筋に効かず、首の痛みにつながってしまうのでNG。あごは上に向けるのがポイントです。
この3STEPを習慣にしてキュッと締まったくびれを手に入れましょう。
【教えていただいた方】
1962年生まれ。アプロ主宰。指導歴40年。 “姿勢で人生を変える”をテーマに指導を行う。姿勢に関する分析をホリスティックに行う独自のメソッドは、多くのファッション誌・フィットネス情報誌で紹介されている。自分の姿勢の現在の状態を把握し、ウェルネスコンサルティングが受けられる「姿勢分析」メニューが人気。自身、還暦とは思えないウェルネスな姿勢美は、まさに日々のエクササイズの賜物。近年、スタジオワークのかたわら、後進の指導や著作活動、オンライングループレッスンやイベントを通して、多くの人たちにそのメソッドを発信中。著書に『テニスボールダイエット』(幻冬舎)、『自分で整体ストラップ』(講談社)、『テニスボールでほぐす!のばす!やせる!』(扶桑社)、『クッションピラティス 内ももを締めれば勝手にやせる!』(幻冬舎)など。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/田代ゆかり(Happ’s) 取材・文/和田美穂