腕に脂肪がつくのは、猫背姿勢による「前肩」が大きな原因!
二の腕に振り袖のように余分な脂肪がついてしまう原因についてKAORUさんに伺いました。
「二の腕の筋肉には、力こぶを作るときに使われる表側の上腕二頭筋と、裏側にある上腕三頭筋があります。
上腕二頭筋のほうは、物を持ち上げるときなど日常生活でよく使われるので、縮んで硬くなっている人が多数。つまり、上腕二頭筋は“りきみ筋”です。
逆に、その裏側の上腕三頭筋は使われずに怠けている“さぼり筋”なのですが、この筋肉も縮んでいて、ねじれて硬くなっています。腕は肩から真っすぐ下にぶら下がっている状態だと細く見えるのですが、現代人の多くはパソコンやスマホを見ている時間が長いため、猫背で前肩になって腕が内側に巻き込まれ、ねじれています。
この状態だと腕が太く見えるうえ、腕の筋肉がねじれて縮み、上腕三頭筋も余計に使われにくくなるので、脂肪がつきやすくなり二の腕が太くなってしまうのです」(KAORUさん)
では、二の腕をすっきりと引き締めるには?
「腕が縮んだままで筋トレをすると筋肉が偏ってついてしまうので、余計に振り袖が大きくなってしまい、逆効果。まずは前肩を改善して縮んでいる腕を伸ばしたうえで鍛えることがマストです。
ですから最初に硬くなっている二の腕を、付け根から肩のあたりまでフォームローラーでよくほぐし、前肩をリセットして腕のねじれを改善します。
そのうえで、腕を伸ばすストレッチをします。最後に上腕三頭筋を強化するトレーニングをすると、長く細く引き締まった腕が手に入ります」
以下が、KAORUさんおすすめの二の腕が効果的に引き締まる3STEPの「ゆる筋トレ」!
ぜひ実践してみて。
STEP1 「ほぐす」
腕〜肩ほぐし
① 体の右側を下にして寝て、両膝は軽く曲げ、右腕を伸ばして腕の付け根(脇の下あたり)にフォームローラーを当てます。左手は床に置いて体を支えます。体を縦に動かしてフォームローラーを転がし、脇から二の腕までよくほぐします。これを5往復。
※フォームローラーは、筋膜リリース用のローラーならなんでもOK。ない場合は、細長いステンレスボトルなどにバスタオルを巻いて円柱状にして使ってもOK。
② 次に、右の手のひらを上に向けて、上体を上に向け、肩のあたりにフォームローラーを当てます。体を縦に動かしてフォームローラーを転がし、肩と腕の付け根をよくほぐしましょう。これを5往復。
③ そのまま肩から二の腕にかけてフォームローラーを転がし、よくほぐします。手のひらを上に向けたり下に向けたりして、少しずつ位置を変え、二の腕の表裏をまんべんなく5往復行いましょう。二の腕まで転がすとき、膝は縮ませます。伸ばした腕が下がらないように意識して行って。終わったら、体の左側を下にして①〜③を同様に。
STEP2 「伸ばす」
腕のストレッチ
① 床に座り、手のひらを下に向け右腕を真っすぐ前に伸ばし、左手で右手の指を押さえて、手前にグッと引き寄せます。これを5回。
② 次に、左手で右手のひらを押さえたまま、左にグーッと伸ばして10秒キープ。
③ 次に、左に伸ばした右腕を左ひじを曲げて押さえ、右肩から腕全体を伸ばします。このときに、右腕の肘が曲がらない範囲でできるだけ体に引き寄せます。これを5回。終わったら、左右の手を入れ替えて①〜③を同様に。
STEP3 「強化する」
上腕三頭筋を鍛える逆プランク
① 床に両脚を真っすぐ伸ばして座り、両足の指先を体の方向に向けて両手を体の後ろに置きます。左右の脚は軽く開き、ひじは真っすぐに伸ばしましょう。
② お尻を締め、腕の力で体を引き上げて体を斜め一直線にします。顔は起こして正面を向くように。1、2、3のリズムで引き上げて、1、2、3で下ろして①に戻ります。これを2回。キツくてできない人は、①を行うだけでもOK。楽にできるようになったら②を行いましょう。
これはNG!
上を向くと首を痛めるのでNG。首に無理な力は入れずに行いましょう。
この3STEPを続けて、ノースリーブの似合うほっそり二の腕を手に入れて。
【教えていただいた方】
1962年生まれ。アプロ主宰。指導歴40年。 “姿勢で人生を変える”をテーマに指導を行う。姿勢に関する分析をホリスティックに行う独自のメソッドは、多くのファッション誌・フィットネス情報誌で紹介されている。自分の姿勢の現在の状態を把握し、ウェルネスコンサルティングが受けられる「姿勢分析」メニューが人気。自身、還暦とは思えないウェルネスな姿勢美は、まさに日々のエクササイズの賜物。近年、スタジオワークのかたわら、後進の指導や著作活動、オンライングループレッスンやイベントを通して、多くの人たちにそのメソッドを発信中。著書に『テニスボールダイエット』(幻冬舎)、『自分で整体ストラップ』(講談社)、『テニスボールでほぐす!のばす!やせる!』(扶桑社)、『クッションピラティス 内ももを締めれば勝手にやせる!』(幻冬舎)など。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/田代ゆかり(Happ’s) 取材・文/和田美穂