食事をタンパク質メインに替えたら、みるみる体脂肪が燃える体に!
体型を気にしつつも日々の忙しさに追われ、何年も体重を測る習慣さえなくなっていた小川さん。今回のプロジェクトがスタートすると、毎朝起きてすぐに体組成計に乗る習慣ができました。
このことが、体型の変化はもとより内面や健康にまで意識を向けることにつながっていたことは、前半の1カ月が過ぎた頃には誰の目にも明らかでした!
小川正美さん(1972年生まれ・弁護士)
スタート時の数値
■体重:61.25kg
■筋肉量:37.65kg
■脂肪量:21.30kg(体脂肪率:34.7%)
■内臓脂肪レベル:7.0
食生活を全面的に指導してくれたのは管理栄養士の麻生れいみさん。
小川さんへの最初のミッションはタンパク質強化でした。
筋肉増量のため、1日のタンパク質量は体重1kgにつき1.5g、つまり小川さんの場合は90g 欲しいところでしたが、当面は60gからスタート。朝食を食べる習慣がない小川さんは「朝にタンパク質をとること」を第一目標に掲げました。
1カ月目は、豆乳、牛乳、高タンパクヨーグルトなど、手軽にとれるものならなんでもよいというところから始まりましたが、1カ月も経たないうちに、朝にタンパク質をとることは完全にクリア。
2カ月目には1日に80~90gのタンパク質もとれるようになってきていました。
150gのイチボステーキ(これは、「いきなり!ステーキ」で食べたもの)なども、夕食のレギュラーに! 以前からは考えられない変化です。
代謝のいい体をつくるタンパク質は、90gをまめに分けてとる!
麻生さんからの次なるミッションは3つです。
①間食にもタンパク質を!
おやつはもちろん、カフェでの打ち合わせ時などにスイーツを食べがちだった小川さんですが、いつしかおやつにもチーズやヨーグルトなどを取り入れるほどに!
②疲れたときにこそタンパク質を!
「疲れたときは甘いもの」をやめ、タンパク質に。チーズ・小魚・枝豆・ちくわ・ソーセージなどが理想。70%以上のハイカカオチョコレートなどはOK。
③お酒のおつまみにもタンパク質を!
飲みに行く機会も多い小川さん。おつまみもタンパク質系に。お店を自分で選べるときは、焼き鳥などをチョイス。そして、何より運動後にお酒を飲むと筋肉の合成力が落ちるので、飲むなら1 、2時間空けてから。糖質の高いお酒(ビールや日本酒)はなるべく避けて。
「痩せたいからといって食べる量は減らさないこと。減らすと筋肉が減ってしまいますよ〜というアドバイスも、しっかり守ってくれていた小川さん。
1カ月も経たず、すでに体脂肪が減り始めていました。
2カ月目には、自ら工夫してプロテインスープなども取り入れ、食生活がガラリと変化。
年齢を重ねると、長年の習慣をなかなか変えられない人が多いものですが、食事の主役はタンパク質と野菜ととらえてくれたことで、見違える食生活になっていきました」(麻生れいみさん)
自宅ごはんの日。玄米パスタ(低糖質)を使用したベーコン、しめじ、ズッキーニと具だくさんのペペロンチーノ。そしてガスパチョ。小川さん、お料理上手だったのですね!
後半はいよいよエクササイズで体幹を鍛え、筋肉をアップ!
そして、運動担当はパーソナルトレーナーで、姿勢アナリストのKAORUさん。小川さんの個性を見極め、綿密な計画を立ててくれました。
「小川さんは体全体が硬く、筋肉の動きが悪かったんです。その結果、代謝が悪くなっていました。そのため、1カ月間はまったくトレーニングをせず、テニスボールとフォームローラーによるリリースに終始。
関節をしっかりと動かせるようになったら、2カ月目にようやく背面(背中・お尻・もも裏)のトレーニングに入りました。
3カ月あるので、後半はいよいよ体全体を使うエクササイズです。家の中でできることを前提に、クッションを使ったエクササイズを宿題にしました」
それが次の6つのエクササイズです。
もちろんKAORUさんのオリジナル。ひと通りやっても20分程度。多忙な小川さんでも無理なくできるメニューといえます。
【1】ツイスト腹筋
クッションのひとつは肩から頭の下へ。もうひとつのクッションを内ももで挟み、膝を直角に曲げてつま先を立てます。肩をクッションにつけたまま、内ももをギュッと締めながら膝を片側に倒し、肩が浮く直前でストップ。息を吐きながら上体を15回起こしましょう。反対も同様に繰り返して。
【2】お腹ぺたんこ腹筋
クッションのひとつはお尻の下に、ひとつは膝を曲げて、内ももで挟みます。腰を床に押しつけるようにして足を膝の高さに上げて。息を吐きながらゆっくり両脚を倒します。両肩が床から離れる直前で止め、息を吸いながらゆっくり元へ戻りましょう。左右交互に10回ずつ。
【3】バレリーナのストレッチ
内ももでクッションを挟み、かかとをつけてつま先を開いて立ちます。股関節をギュッと外側に回してお尻を締め、両腕を高い位置で組んだまま、息を吐きながら上半身を横に倒し、息を吸いながら戻ります。このとき、骨盤が動かないようウエストから上だけを横に倒します。反対側も同様に。左右交互に5回ずつ。かかとで地面を押しながら行うと効果的。
【4】お尻&太ももすっきりエクササイズ
片ひじをついて横に寝たら、クッションを二つ折りしてウエストの下に入れます。両膝を直角に曲げ、息を吐きながら、上の太ももだけをゆっくり開いて閉じるを繰り返します。片側15回ずつ。骨盤が前後に動かないように注意して。
【5】お尻&お腹すっきりエクササイズ
クッションをウエストに当てて横向きに寝ます。腕と体を真っすぐ伸ばし、脚を閉じてつま先を伸ばします。内ももとお尻を締めたまま、息を吐きながら脚を上げ、息を吸いながら脚を下げます。1秒で上げて1秒で下げるスピードで。片側5~10回ずつ。最後にチャイルドポーズで脱力を。
【6】全身引き締め逆プランク
内ももでクッションを挟んだら、両手を後ろにつき(指は体側へ)、脚を伸ばして長座します。腕は伸ばしたまま、息を吐きながら腰と股関節を持ち上げて5秒キープ。息を吐きながらゆっくり戻ります。5回は繰り返しましょう。
こうして着々とゴールに近づいていく小川さん。
ここで途中経過をチラ見せしちゃいましょう。
もう、ひと回りスレンダーになっています。しかも筋肉はキープしたまま、ほぐれてきました。脂肪だけが減ってきています。
3カ月後の結果は次回! 乞うご期待です!!
【教えていただいた方】
1962年生まれ。アプロ主宰。指導歴40年。 “姿勢で人生を変える”をテーマに指導を行う。姿勢に関する分析をホリスティックに行う独自のメソッドは、多くのファッション誌・フィットネス情報誌で紹介されている。自分の姿勢の現在の状態を把握し、ウェルネスコンサルティングが受けられる「姿勢分析」メニューが人気。自身、還暦とは思えないウェルネスな姿勢美は、まさに日々のエクササイズの賜物。近年、スタジオワークのかたわら、後進の指導や著作活動、オンライングループレッスンやイベントを通して、多くの人たちにそのメソッドを発信中。著書に『テニスボールダイエット』(幻冬舎)、『自分で整体ストラップ』(講談社)、『テニスボールでほぐす!のばす!やせる!』(扶桑社)、『クッションピラティス 内ももを締めれば勝手にやせる!』(幻冬舎)など。
東京医療保健大学大学院医療保健学研究科医療栄養学領域修了。慶應義塾大学SFC研究所 食・フードサイエンス&テクノロジー共同研究機構メンバー。著書は『麻生れいみ式ロカボダイエット』(ワニブックス)、『20kgやせた! 糖質オフ入門 最新版』(宝島社)などすでに28冊に及ぶ。ベストセラーも多数。
人物撮影/藤澤由加 取材・文/蓮見則子