タンパク質が劣化し、“こげつき”が体内に蓄積するという現象が!
老化の原因として知られる“酸化”は、活性酸素によって細胞が傷つけられることで、いわば体の“サビ”です。
では“糖化”とは何でしょう?
医師で『AGE牧田クリニック』院長の牧田善二先生に聞きました
「糖化とは、タンパク質がブドウ糖と結びついてタンパク質が劣化してしまうことで、いわば体の“こげ”です。体で糖化が起きると、AGE(終末糖化産物)と呼ばれる悪玉物質が生まれ、これが全身のタンパク質にたまって、活性酸素をはるかにしのぐ老化の元凶となります。特にAGEがたまりやすいのが、肌の土台や関節軟骨を作るコラーゲン線維。ですからAGEが蓄積すると、その害は全身に及び、肌のシミ、シワ、たるみをはじめ、骨粗しょう症、変形性関節症、動脈硬化、白内障、認知症、がんなど、多くのトラブルの原因になるのです」(牧田善二先生)
この糖化を進める最大の要因は、実は毎日の食事にあります
「AGEは、体内の化学反応によっても毎日少しずつ生まれますが、食べ物にも含まれているため、食事によって体にたまっていきます。また、体に取り込まれるAGEの量は、調理法や食べ方によっても変わります。ですから、老けないためには、食べるものや食べ方に気をつけて、体に取り込むAGE量をなるべく減らすことが大切です。実際、食生活の改善によって、体内のAGEの量が減ることがわかっています」(牧田先生)
では、AGEを極力とらない&減らす食べ方とは?
食べ方や、食品選びにちょっと気をつけるだけで、食べ物から摂取するAGEの量を減らすことができるし、体に蓄積されたAGEを減らすこともできます。
以下、牧田先生に教えていただいた、おすすめの食べ方をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてください!
●卵はゆで卵やポーチドエッグに
「卵は栄養価が高くてAGEの含有量が低い、おすすめの食品です。ただ、目玉焼きは油で長く加熱する調理法のため、AGEの量がゆで卵の約6倍と、一気に増えてしまいます。卵料理は、ゆで卵やポーチドエッグ、温泉卵など、高加熱しない調理法で食べるのがベターです」(牧田先生)
●魚は刺身かカルパッチョがベター
「魚は、基本的に肉よりAGEの含有量が少なめ。生でとる刺身やカルパッチョを選べば、AGEの摂取量を抑えられます。例えば生の鮭の場合、90gあたりのAGE量は502KU。でも、10分揚げてフライにすると1348KUになり、2.6倍に増加してしまいます。魚は生のままがベターです」(牧田先生)
●肉は、蒸し料理やしゃぶしゃぶに
「加熱が必要な肉は、AGE量が多くなりがちなので、温度や時間を工夫しましょう。牛肉なら、焼肉やバーベキューではなく、たたきやしゃぶしゃぶにしたり、ステーキならレアにして加熱時間を短めに。豚肉も、とんかつや炒め物ではなく、ゆで豚やしゃぶしゃぶに。鶏肉は蒸し鶏などに」(牧田先生)
●揚げ物にはレモンを搾る
「レモンなどの柑橘類には、糖化の害を軽減するクエン酸が豊富。AGEが多い唐揚げを食べるときには、レモン汁を搾って食べましょう。こうするだけで、AGEの量が半分近くに減ったというデータも。また、クエン酸は体内で糖代謝も促します。唐揚げ以外の揚げ物にもぜひ」(牧田先生)
──などなど、普段よく食べている食材や料理も、調理の方法や食べ方を工夫することで、体に摂取するAGEの量を減らすことはできます!
上に挙げた食べ方は、牧田先生から教えていただいた食べ方のほんの一例です。
MyAge2020春号の特集『病気&老化の元凶“AGE”は食べ方で減らせます。老けたくないなら抗糖化!』(計5ページ)では、抗糖化とAGEについてさらに詳しく解説しています。そして、糖化とAGEの摂取を抑える食べ方や調理法をたくさん紹介しています。今までの自分の食生活の常識が変わるかも!?
体に取り込むAGEや体内に蓄積されたAGEを減らして、老化や病気を引き起こす原因を少しでも抑えたい人は必見です! ぜひ読んでみてください。
●教えていただいた先生は
牧田善二(まきた・ぜんじ)さん
医師。「AGE牧田クリニック」院長。アメリカ・ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、AGE研究を約5年間行なった経験を持つ。著書『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)がベストセラーに。
イラスト/しらいし ののこ 取材・原文/和田美穂
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