ここ数年のコロナ禍などの影響もあり、健康への意識がますます高まっています。
さまざまなメディアで健康情報が溢れていますが、そんな中でも、特に40代、50代の女性が知っておきたい、最新のキーワードをピックアップして解説します。
動物由来の原材料を使わない、植物由来の「プラントベースフード」は、次世代を担うサステイナブル(持続可能)な食品。体にも優しい!
今回注目したいのは、最近、商品が続々と登場し、話題となっている「プラントベースフード」。
「プラントベース」って何? その意味は? プラントベースの商品ってどんなものがあるの?
気になるポイントに迫ってみます。
「プラントベース」は「ヴィーガン」や「ベジタリアン」とどう違う?
「プラントベース」という言葉、食品売り場などで見かけたことがある人もいるかもしれません。
「プラント(Plant)」は植物という意味なので、「プラントベース(Plant Based)」は直訳すると「植物由来」という意味。
ここ数年でプラントベースの食品が増えてきているため、「聞いたことがある」という人も徐々に増えているのでは?
植物由来の食品をとるというと、「ヴィーガン」や「ベジタリアン」を思い浮かべると思いますが、プラントベースはちょっと意味合いが違います。
プラントベースの商品を販売している食品メーカー、カゴメによると…。
それぞれに明確な定義はないものの、一般的に「ヴィーガン」は、動物性の食品を排除する食生活を送る人のこと。
「ベジタリアン」は、卵や乳製品など一部の動物性食品は許容しながら、動物性の食品を排除する食生活を送る人のこと。
「プラントベースフード」は、動物由来の原材料(牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類、乳製品、卵など)を配合せず、植物由来の原材料を使用している食品全般のことを言うそうです。
「プラントベースフード」として、これまでに、肉、卵、ミルク、バター、チーズなどの代替となる加工食品が作られて販売されています。
植物由来の原材料を使用して、畜産物や水産物に似せて作られていることが特徴です。
例えば最近は、まるで肉のような味と食感の「大豆ミート」や、アーモンドミルクやオーツミルクなどの植物性ミルクが人気ですが、これらはプラントベースフードの代表的なものです。
カゴメの「プラントベース」シリーズは、手軽に食べられるレトルトのカレー、パスタソースを展開しています。
その商品を盛りつけた写真を見ると…
上は「大豆ミートのキーマカレー」。下は「ベジミートボールのトマトのソース」。
どちらもおいしそうですね!
地球環境に優しい食品として注目されている「プラントベースフード」
プラントベースフードがなぜ今、注目されているのか、その背景には、近年の世界情勢や世相が関係しています。
現在、将来的に人口増加による食糧危機が予測されていますが、そうなると肉や魚などの動物性食品も供給が追いつかなくなるので、植物由来のタンパク質源を増やそうという動きもあります。
また、牛などの家畜が排出するメタンなどは、地球温暖化を進める温室効果ガスを増やしたり、家畜が肉として出荷されるまでに多くの水資源を消費することもあるので、家畜に頼りすぎる食生活を現在よりは減らしてもいいのでは?という考えも出てきています。
代表的な「プラントベースフード」の「大豆ミート」は、そんな中、将来、食肉の供給量が不足した場合の代替食になる点や、二酸化炭素排出量や水資源使用量が、一般的な食肉より原料の段階で少ない点が、地球環境にも優しいとされて注目を集めているのです。
健康志向の高まりも関係しています。
肉や乳製品などの動物性食品が多すぎる食生活は、脂質過多になることがあり、生活習慣病や肥満の原因となる可能性も。
動物性食品にアレルギーがあって食事に制約がある人もいます。
プラントベースフードは、そんな事情がある人の選択肢のひとつとなることから、需要が高まっているのです。
女性は特に更年期以降、今まで体を守ってくれていた女性ホルモンが減少することで、生活習慣病になりやすくなったり、太りやすくなったりしますが、その対策としてもプラントベースフードは強い味方になってくれそう。
以前は、植物由来の食品は「あまりおいしくなさそう」「本当の肉や卵、乳製品を食べたほうがおいしそう」というイメージがどうしてもありました。
しかし、そのイメージも徐々に払拭され、人気が高まっています。
技術の進化によって、植物由来の原料を使っているのに、まるで動物性食品のような味や食感だったり、味もおいしかったりと、商品自体のレベルが上がっているという、うれしい傾向が!
商品の種類が増えて、食べていて飽きないのも◎ですね。
7年後の2030年度には、プラントベースフードの市場は、2000億円超えの規模になると予測しているデータもあり、これからの成長が見込まれ、どうなっていくのか期待が膨らみますね。
プラントベースフードにはどんな商品があるのか、その最前線の中から、2商品をクローズアップしてみます。
プラントベースフード①
大豆ミートや豆乳クリームでおいしさを実現!
カゴメの「ベジミートボールのマサラカレー」
動物性原材料を配合せず、植物素材を使用して作った、カゴメの「プラントベース」シリーズの「ベジミートボールのマサラカレー」。
上写真の袋に入ったものを温めて、お皿に盛りつけた例が下の写真です(ご飯や付け合わせは自分で用意)。
温めて、ご飯と一緒に食べるだけなので、忙しい日にも便利。
大豆ミートを使ったベジミートボールと野菜(たまねぎ、しょうが)に、豆乳クリームやカシューナッツのコクとスパイスを効かせ、奥深い味に仕上げています。
熱湯に入れて温めても、電子レンジで温めてもOK。
(※電子レンジを使う場合は、必ず耐熱容器などに移し替え、ラップをかけて温めましょう)
「NPO法人ベジプロジェクトジャパン」によるヴィーガン認証を受けた商品でもあります。
●カゴメの「ベジミートボールのマサラカレー 」170g ¥430(編集部調べ)
プラントベースフード②
植物性タンパク質と食物繊維がたっぷり、サクッととれる「SOVEシリアル」。
大豆と野菜で作られたプラントベースフードのブランド「SOVE」(ソブ)も注目です
カゴメが、「プラントベースフードを、誰もが楽しく続けられる食事にして習慣化する」ことを目指したブランドが「SOVE」(ソブ)です。
半世紀以上にわたる大豆研究の知見と独自の製造技術を持つ不二製油と、カゴメがタッグを組んで、2022年10月に誕生したブランドだそう。
また、「SOVE」は、大豆(soy)と野菜(vegetable)を、生活に取り入れやすい形で届けることを目指しているとのこと。
その第1弾として発売されたのが「SOVEシリアル」という商品です。
大豆と野菜で作られたシリアルで、サクッと香ばしいクリスピー食感。
1食分(30g)が99キロカロリーで、植物性タンパク質を15.1g、食物繊維を6.7gとることができます。食べ応えも十分。
香料・保存料は無添加。
砂糖が不使用なのも、ダイエットが気になる40代、50代にはうれしいですね!
上写真のように、シリアルにアーモンドミルクを混ぜるなど、さまざまなアレンジが可能。
マグカップとスプーンがあれば食べられる手軽さも魅力!
洋風スープに入れたり、みそ汁に入れても相性がよく、いろいろな味で楽しめます。
「SOVEシリアル」を飽きずに楽しめるレシピも、下記のWEBサイトで公開しています。
「SOVE」 7DAYS RECIPE
●SOVEの「SOVEシリアル」 300g ¥1,728
──「プラントベースフード」は、ヴィーガンやベジタリアンの食事と違って厳しい制限はないので、取り入れやすいのが魅力。
ただ、プラントベースフードだけではとれない栄養もあります。
動物性食品や他の食品とともにバランスよくとって、上手に活用することが、40代、50代のOurAge世代にはおすすめですね。
※ 掲載したカゴメの商品は、同一製造ラインにおいて、動物性原料を含む商品を製造しています。
取材・文/和田美穂 取材協力・写真提供/カゴメ SOVE
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