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寒さが続くと睡眠に悪影響が!睡眠の悩みにおすすめの「味噌汁」レシピをご紹介!

「新しい生活様式」を明るく前向きに送るための、読んでトクする連載。今回は、生活習慣病と睡眠の関係についてです。

◆今、睡眠に問題を抱えている人が増えています

厳しい寒さが続いていますが、よく眠れていますか。今、睡眠に課題や懸念を感じる人が増えているそうです。

※株式会社ミソドが2022年8月26日~29日で50~60代男女800名にオンラインにてアンケート調査した生活者意識調査より

 

睡眠専門医の坪田聡先生によると、原因として考えられるのは以下の3つ。

 

●冬ならではの寒さ

寒い季節は家にこもることが多く、運動量が減るので、適度に体を疲れさせることができず眠りにくくなりがち。さらに、家にこもりがちになり、日光を浴びることで分泌が促される睡眠ホルモン・メラトニンの分泌が減ってしまいます。こういったことから、冬はなかなか眠れないなど睡眠に課題を感じる人が増える傾向にあります。

●加齢によるもの

年齢と睡眠の関係について、睡眠専門医の坪田聡先生はこのようにおっしゃっています。

 

質の良い睡眠に必要なのは、睡眠ホルモンのメラトニンです。メラトニンが十分分泌されることで、なかなか寝付けない入眠障害や、夜中に何度も目が覚める中途覚醒の解消が期待できます」(坪田先生)。

 

ところが、メラトニンの分泌量は年齢とともに減る傾向があり、睡眠の質に悪影響を及ぼすのだそう。特に50代の女性は女性ホルモンの急激な減少により、男性よりも睡眠に不満を感じる人が多いと言われています。

 

●コロナ禍のストレス

生活が変わったことで不安になることが増えたり、ストレスが眠りに影響をあたえることがあるのは私たちも実感がありますね。

 

◆睡眠不足と生活習慣病の関係

では、良い睡眠がとれないとどのような影響があるのでしょうか。疲れが取れないといったこともありますが、もっと重大な影響があります。厚生労働省のe-ヘルスネットによると、睡眠に課題があると、生活習慣病に罹患リスクを高めたり、症状を悪化させたりすることがわかっています。

 

ですが、さきほどご紹介した株式会社ミソドの生活者意識調査によると、生活習慣病と睡眠との関連を意識している人は、4割程度とぐっと少なくなっています。

 

生活習慣病と関連しているものについての意識調査

 

忙しい時はつい睡眠を削って何とかするなど、睡眠をおざなりにする人も多いですが、実は睡眠はとても大切なんですね。

 

睡眠不足の人は食欲を抑えるホルモン・レプチンの分泌が減少し、逆に食欲を高めるホルモン・グレリンの分泌が増加します。このことからつい食べ過ぎてしまい肥満につながりやすく、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病を起こしやすくなってしまうのです」(坪田先生)。

 

さらに、慢性的な不眠症患者は、血糖値を上昇させる糖質コルチコイドが過剰に分泌され、糖尿病のリスクが1.5~2倍ほど増加するのだとか!

 

睡眠と生活習慣病の間で、負のスパイラルに陥ってしまうリスクがあるそう。

 

睡眠と生活習慣病の負のスパイラル

 

◆睡眠の悩みには「味噌汁」がおすすめ

 

この負のスパイラルを断ち切るために不眠対策としておすすめなのが「味噌汁」だと坪田先生は言います。

 

味噌にはメラトニンの素となるトリプトファンが豊富に含まれています。トリプトファンは14時間前後でメラトニンに変化するため、朝食で味噌汁を食べると、夜までに十分な量のメラトニンが生成され、睡眠の質を高めることにつながります」(坪田先生)。

 

一方、夕食で食べる効果も、もちろんあります。「人間の体は、体温が下がってくると眠くなる仕組みです。夕食で温かい味噌汁を食べることで上がった体温が、徐々に手足から放熱されて体温が下がり、自然な入眠へとつながります」(坪田先生)。

 

さらに、栄養学的にも、味噌汁は不眠や生活習慣病対策にぴったり。管理栄養士の篠原絵里佳さんによると、味噌汁には、トリプトファンが豊富に含まれるほかにも、おすすめポイントがあるのだそう。

●メラトニンの生成をブーストする栄養成分がとれる

メラトニンを生成するには、トリプトファンのほかにも鉄分・ビタミンB6やナイアシンが必要です。鉄分はカツオ・牛肉・あさり・豆腐・ほうれん草などに豊富に含まれます。ビタミンB6はささみ・サケ・アボカドなどに、ナイアシンは鶏むね肉・まいたけなどに多く含まれます。味噌汁ならいろいろな具材を組み合わせてとることができるし、水に溶け出した栄養素も逃がさずとることができます。

 

●血糖値を正常にし、コレステロールを低下させる効果も期待できる

味噌などの大豆製品に含まれるたんぱく質がアディポネクチンというホルモンの合成を促すことで、血糖値を正常に保ち糖尿病の発症を予防する効果が期待できます。また、大豆にはコレステロールを低下させる成分が含まれており、脂質異常症の予防につながる可能性も。

 

不眠に加えて生活習慣病の予防や改善につながる味噌汁は偉大ですね。

 

◆スピード調理で簡単!お手軽「味噌汁」2選

 

普段から味噌汁は飲んでいるという方も、手軽でより体にいい味噌汁のレパートリーを増やしたい時にぴったりのメニューを知りたいところですよね。

 

そこで、料理研究家の島本美由紀さん考案の、10分以内でできる味噌汁2品をご紹介します!うち1品は電子レンジだけで調理できるので、より手軽に作れます。

 

アボカドとツナの良眠味噌汁

アボカドとツナの良眠みそ汁

●材料(2人分)

冷凍アボカド…70g

ツナ…1/2缶

木綿豆腐…1/2丁

しめじ…1/4株

水…400ml

和風顆粒だし…小さじ2/3

味噌…大さじ1

 

●作り方

1.豆腐はさいの目に切り、しめじは根元を切って大きめにほぐす。

2.鍋に水、和風顆粒出しを入れて火にかける。

3.煮立ったら、1.と缶汁を切ったツナを入れ中火で1分ほど煮る。

4.冷凍アボカドを加えてひと煮立ちしたら、味噌を溶き入れ器に盛る。

 

ブロッコリーと厚揚げのごま良眠味噌汁

ブロッコリーと厚揚げのごま良眠みそ汁

●材料(2人分)

ブロッコリー…1/2株

にんじん…50g

厚揚げ…1/2枚

水…400ml

白すりごま…大さじ1

和風顆粒だし…小さじ2/3

味噌…大さじ1

ごま油…小さじ1

 

●作り方

1.ブロッコリーは小房に分け、縦半分に切る。にんじんは細切り、厚揚げはひと口大に切る。

2.耐熱ボウルに1.と水、白すりごま、和風顆粒だしを入れる。ふんわりとラップをかけ、600Wの電子レンジで7分加熱する。

3.味噌を溶き入れてごま油を加え、器に盛る。

 

少しずつ春に近づいているとはいえ、まだ寒い日も多いこの頃。具だくさんの味噌汁をおいしくいただきながら、睡眠課題や生活習慣病対策をしていきましょう!

 

 

\教えていただいたのは/

雨晴クリニック院長

坪田 聡先生

坪田 聡先生

睡眠専門医、医学博士。日本睡眠学会所属。医師として診療に当たるうちに、睡眠障害がほかの病気の発症や経過に深く関係していることに気づき、高齢者を中心に睡眠障害の治療を開始。その後、治療から予防に重点をシフトし、「快眠で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、睡眠の質を向上させるための指導や普及に尽力。

 

管理栄養士

篠原絵里佳先生

篠原絵里佳先生

日本睡眠改善協議会認定睡眠改善インストラクター。総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。チーム医療に邁進する中で睡眠の重要性に気づき、睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士を取得。食事と睡眠の観点から健康と美容にアプローチする「睡食健美」を提唱。

 

料理研究家

島本美由紀先生

島本美由紀先生

手軽に作れるおいしいレシピを考案。TV・新聞・雑誌などのメディア出演、講演会など幅広く活躍。著書も多数。料理だけにとどまらず、家事全般のラク(楽しくカンタン)を追求する「ラク家事アドバイザー」、「食品ロス削減アドバイザー」、「冷蔵庫収納&食品保存アドバイザー」としても活動。

 

◆資料提供/ミソド

 

構成・文/倉澤真由美

 

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