寿命を決めるのは何? 動物寿命ランキング
寿命の長さは単に細胞の劣化だけでなく、生態系での役割とも関係があります。例えば、オスとメスでは産卵や出産に重要なメスのほうが長生きで、同じくらいの大きさの動物なら、肉食動物よりも草食動物のほうが長生きする傾向が。
初期人類の寿命は30代前半くらいで、ここ数百年ヒトは50年ほどでしたが、近年に飛躍的に延びました。多くの動物は生殖能力を失うと寿命を迎えますが、ヒトはその後も長生きする、特殊な動物です。(『いきもの寿命ずかん』新宅広二 著/東京書籍より)
●200年
アルダブラゾウカメ
セーシェル諸島に暮らし、今までの飼育記録は255歳とも。甲長最大140㎝と大型で、熱がこもりやすいため死因の1位は熱中症
●100年
タカアシガニ
日本近海の深海にいる世界最大の節足動物。成長のための脱皮では古い殻を脱ぐのに6時間以上かかり、うまく脱げないとそこで死ぬことも
●80年
シロナガスクジラ
生息は地球の全海域。最大の動物なので、天敵もおらず、豊富なオキアミを食べ、海をゆったり泳いで寿命を全うします
●70年
アフリカゾウ
メスが中心の10頭前後の群れを作って暮らします。家族が死ぬと涙を流して悲しみ、お葬式のように皆が集まって弔います
●70年
ヒト
砂漠から極寒地にまで生息する霊長類。知能が高いためにストレスを受けやすく、自殺するものも。この行動は他の動物には見られません
●30年
キリン
アフリカのサバンナに暮らし、他のキリンの子にも乳を与える心の広い動物。1歳までの死亡率は7割。それを超えるとほぼ30年生きます
●20年
パンダ
中国の四川省周辺の雪深い高山に暮らし、本来は肉食だが竹を主食にした変わり者。のんびりと過ごし20年ほどの生涯を終えます
●2年
アカネズミ
日本にしかいない固有種。群れずに単独で行動し、周囲は天敵だらけなので、寿命の2年を生き延びるのは容易ではありません
上記以外の動物寿命ランキング
大型の動物より小型のほうが、肉食よりも草食動物のほうが長生きの傾向があります
番外編
若返ることができる動物もいる!
「不死身」といわれている生物がいます。その代表がベニクラゲで、これは老化したらポリプという赤ちゃんの状態の細胞を作ることができ、そこからもう一度、生き直すことができます。これが不死身といわれるゆえん。しかし、子どものベニクラゲは天敵も多く、ほとんどが他の魚に食べられてしまい、増えすぎることはなく、上手に生態系のバランスが保たれています。
イラスト/カケハタリョウ 構成・原文/山村浩子