家の中はデジタル毒だらけ!
改めて家の中を見渡してみると、私たちのまわりは電気製品だらけです。スマホなどは一日中、肌身離さず持っている人も少なくありません。
「私もさまざまな療法を学んだ際に、デジタル毒が体に与える影響について知る機会が多く、自分でも調べました。ヨーロッパでは1990年にはすでに、電磁波による健康被害についての調査が始まっていました。国際がん研究機関(IARC)は2002年に低周波電磁波の発がん性を認めています。
今の日本の家は一部屋にいくつもコンセントがあります。
コンセントがあるということは、壁に配電線が張り巡らされているわけです。欧米の多くの家では、電気を放出するアース付きの3口コンセントが一般的ですが、日本ではあまり普及していません。
さらに、最近ではオール電化、エコキュート、ソーラーパネルと、まさに家全体が電気製品で囲まれている状態です」(内山葉子先生)
私たちの体には微弱な電気が流れています。だから心電図や脳波が測れるわけです。そんな体に常に有害な電磁波を浴びているとしたら?
「しかも、以前の有線の電子機器を使っているときは、距離を置いたり、使用しているときだけ気をつければよかったのですが、今はスマホなどのデジタル機器が急速に発達し、ワイヤレスで電波を飛ばす無線のものが増えています。
これらが、少なからず心身に影響を与えている可能性はあります。
実は、Wi-Fiルーターの近くでは、カビの一種であるきのこが5倍大きく育ったという報告があります。電磁波は腸内細菌叢を変化させ、お腹のカビを増やすという報告もあります。
お腹のカビときのこについては第1回参照。
できる範囲でデジタルデトックスを!
とはいえ、これらの電気製品をすべて排除することはできません。上手に付き合うことが大切だと内山先生。
「では、私が患者さんに推奨している、デジタル毒から身を守る方法を紹介しましょう。
【寝る環境を整える】
寝るとき、コンセントの近くに頭がくる状態を避け、布団やベッドを壁にぴったりつけずに、50㎝ほど離してもらいます。また、スマホを目覚まし時計代わりに使わず、寝室とは別の部屋で充電をしてもらいます。仕事上やむを得ないときは、頭側でなく、せめて足元に置き、できるだけ離してもらいます。
【スマホ・パソコンでの注意点】
デジタル毒は距離をとるほど薄れるので、スマホをポケットに入れたり、首から下げるなど身につけることを避け、できるだけ体から離します。通話時は直接耳に当てず、スピーカー機能かイヤホンを使うようにすすめています。パソコンはブルーライトをカットする設定にしたり、ブルーライトカットのメガネを使用。できれば、寝るときはWi-Fiを切ってもらいます。
【家電の使用時の注意点】
電子レンジを使用しているときは、できるだけ(5m以上が理想)離れ、テレビは至近距離で見ないように。家電は、使っていないときは、できるだけコンセントを抜くようにし、電気カーペットや電気毛布など、直接体に触れる家電はできる限り使わないようにお伝えしています。
記事が続きます
【デジタルデトックスをする】
時々、スマホやパソコンを使わない時間や日をつくる。大地や自然に接することで静電気などが放電されるので、素足で土や砂の上を歩いたり、座ったりする『アーシング』など、デジタルデトックスを心がけましょう。
デジタル毒を完全に除去することはできません。無理のない範囲で、心がけることを推奨しています」
【教えていただいた方】

「葉子クリニック」院長。関西医科大学卒業。大学病院・総合病院を経て、福岡県北九州市で「葉子クリニック」を開設。総合内科専門医、腎臓内科専門医。本当の健康とは「心」「体」「スピリット」が整った状態と考え、西洋医学だけでなく、東洋医学、自然療法、民間療法も取り入れてホリスティックに治療を行う。著書に『おなかのカビが病気の原因だった』(ユサブル)、『パンと牛乳は今すぐやめなさい!』(マキノ出版)、『デジタル毒』(ユサブル)など多数。
イラスト/内藤しなこ 取材・文/山村浩子