目の不調は年齢のせい？ それ、もしかして「アイフレイル」かも
近くが見えにくい。ピントが合いづらい。すぐに目が疲れる。夕方になるとよく見えない。そんな目の不調、更年期世代は「あるある」で片づけてしまいがち。
実はそれ、老眼だけが原因とは限りません。
「アイフレイル」——加齢とともに、目の機能がじわじわ衰えていく状態のこと。見えにくさだけでなく、乾き、まぶしさ、疲れなど、さまざまな「困った」が、まとめて現れてくるのが特徴です。
40代以降は、自律神経の乱れや血流の低下も重なって、目がいつもフル稼働。「なんとなく疲れてるだけ」と思っていたら、老眼やアイフレイルが想像以上に進んでいた、なんてことも少なくありません。
「目のサプリ」を選ぶなら、成分名と機能まで見るのが新常識！
最近は、「ピント調節をサポート」「目の疲れをやわらげる」など、具体的な機能をうたった「目サプリ」が続々登場。
これらは、科学的な根拠をもとに消費者庁へ届け出を行った【機能性表示食品（＊1）】というカテゴリーのもので、ポイントは「何に効くか」が明記できるところ。そのカギを握るのが【機能性関与成分（＊2）】と呼ばれる、いわば主役の成分です。
「目にいいといえばブルーベリー、というイメージがまだまだ根強いのですが、実はブルーベリー自体は機能性関与成分としての届け出はありません。
今は、どんな悩みに、どんな成分がどう効くのか”を見て選ぶ時代です。アスタキサンチンやクロセチンなど、はっきり機能を示せる成分に目を向けて選ぶのがポイントです」
そう語るのは、健康食品の制度や広告に詳しい薬事の専門家、持田騎一郎さんです。
＊1 機能性表示食品：「○○に役立つ」と機能を表示するため、根拠を国(消費者庁)に届け出た食品のこと。
＊2 機能性関与成分：「○○に役立つ」と機能を表示するための主要成分のこと。
それぞれに得意分野あり！ 目のサポート成分、ざっくり整理！
特に40代から増えるのは「老眼（ピント調節）」「疲れ目・ぼやけ」「ドライアイ・目の乾き」の三重苦。これらに効くといわれる主な成分をピックアップしてみました。
どの悩みにどの成分が効く？ いちばん気になる症状から見ていくのもアリです。
＊表内のマークの意味：「◎」＝複数の機能性表示届出で効果が確認されている、「○」＝一部の届出あり・研究報告あり、「△」＝間接的な作用の可能性、「―」＝機能性表示の中に該当効果の記載なし
それぞれの成分にはどんな特徴や違いが？
もう少し詳しく見ていきましょう。
ふたつセットで届出される、目の奥の色素コンビ
機能性関与成分【ルテイン＆ゼアキサンチン】
どちらもほうれん草やとうもろこしなどに含まれる天然色素で、目の奥にある「黄斑部（おうはんぶ）」に多く存在。色のコントラスト感度（くっきり見る力）をサポートするとされます。機能性表示食品では、効率よく黄斑部に届くよう「ルテイン＆ゼアキサンチン」のペアで届出されるのが一般的。
スキンケアでおなじみの赤いチカラ、実は目にも効く！
機能性関与成分【アスタキサンチン】
エビやカニ、サケなどに含まれる赤い天然色素。抗酸化パワーの高さからスキンケア成分として有名ですが、実は目にも好影響。機能性表示食品では「ピント調節機能のサポート」「目の疲労感軽減」といった働きが認められています。
ブルーベリーの中でも、ビルベリーが熱い！
機能性関与成分【ビルベリー由来アントシアニン】
北欧に自生する野生種ビルベリーはブルーベリーの一種で、特にアントシアニンを豊富に含む果実。「ピント調節機能の維持」「目の疲労感軽減」といった作用が認められ、機能性表示食品でも多数の届出あり。ブルーベリーではなく「ビルベリーが目にいい」が新常識。
夜の視界をサポート。吸収も早い、名アシスト成分
機能性関与成分【クロセチン】
サフランやクチナシの実に含まれる天然カロテノイドで、体内への吸収が速いのが特徴。機能性表示食品では「夜間視力の維持」「ブルーライトによる疲労感の軽減」などで届出されています。さらに血流のサポートにも注目されていて、目の奥に酸素と栄養をしっかり届けてくれる“縁の下の力持ち”的存在。
スマホ文字がぼやけたら…？ 柑橘由来のピント成分
機能性関与成分【モノグルコシルルチン】
ルチンという成分を水に溶けやすく加工したもの。飲んだあと、しっかり体に届くよう工夫されています。「ピント調節機能の維持」や「目の疲労感軽減」に関する機能性表示も。「夕方になると文字がぼやける」という悩みに対して、じわじわ人気が高まっています。
最新の「目サプリ」は、ズバリわかりやすい成分入り！
5つの機能性で、見えにくさに多角的アプローチ！
【機能性表示食品】ブルーベリー+ルテイン
(60球 ・約１カ月分) ¥2,916／山田養蜂場
５つの機能を持つ、山田養蜂場のアイケアサプリメント。2024年のリニューアルによりルテインを約3倍に増量し、さらにゼアキサンチンを新配合。2025年7月10日より機能性表示食品とし新発売に。目のピント調整力を改善することにより目の疲労感を軽減。ブルーライトなどの光ストレスから目を保護。ぼやけやかすみ（コントラスト感度のこと）を軽減するなどの機能性を持つ商品として届出されています。
機能性関与成分：ビルベリー由来アントシアニン、ルテイン、ゼアキサンチン
届出番号： J1064
届出表示：本品に含まれる①②の成分には以下の機能が報告されています。
①【ビルベリー由来アントシアニン】目のピント調節力を改善することにより、目の疲労感を軽減する。手元でスマートフォンなどを見る近見作業をした時の、目の潤いを補う。
②【ルテイン、ゼアキサンチン】目の黄斑色素量を増やし、ブルーライト等の光ストレスから目を保護し、コントラスト感度（ぼやけ・かすみを軽減し、くっきり見る力）を改善する。
目と免疫、どちらも気になる人に。ダブルケアできる１粒！
【機能性表示食品】免疫EYE
（30粒・約１カ月分）¥2,330／日本ケフィア
目のケアにルテイン×ゼアキサンチン、免疫のためには酢酸菌を配合。「見る力」と「守る力」のどちらもサポートできるスペシャルなサプリ。現代人のための新習慣です。
機能性関与成分：酢酸菌GK-1（G.hansenii GK-1）、ルテイン・ゼアキサンチン
届出番号：J767
届出表示：本品には酢酸菌GK-1（G.hansenii GK-1）、ルテイン・ゼアキサンチンが含まれます。酢酸菌GK-1はpDC（プラズマサイトイド樹状細胞）に働きかけ、健康な人の免疫機能の維持に役立つ機能が、ルテイン・ゼアキサンチンには紫外線やブルーライト光などの光刺激から眼を守り、ぼやけ・かすみを和らげくっきり見る力（コントラスト感度）を改善する機能が報告されています。
この他にも、目の健康を支える成分はさまざま届け出られています。例えば、モノグルコシルルチン、ビタミンA（β-カロテン）、DHA・EPA、GABA、レスベラトロールなど。
「“目がつらい”をひとくくりにしないで、自分の目の悩みに合った成分を選べる時代になりました。これからは自分の目にもっと優しく、前向きにつきあっていけますね」（持田さん）
【教えていただいた方】
1962年生まれ。一橋大学法学部卒業。株式会社RCTジャパン代表取締役社長。過去10年間で１万件以上の化粧品、機能性表示食品、医療機器などの薬機法、景表法案件をコンサル。機能性表示食品制度の普及と啓蒙に努めることを目標に、商品開発、届出支援に特化した機能性表示食品検定協会株式会社を設立、会長に就任。2017年から「機能性表示食品検定講座」をスタート。
取材・文・画像制作／蓮見則子
