最近どんどん寒くなってきましたし、コロナ禍も気になる状況なので、以前より外出が減っている人も多いのではないでしょうか。
実は外出が減ることで日光に当たる機会が減り、皮膚で作られるビタミンDも減って健康に影響が出てしまうんだそう!そこで、ビタミンDが体にとってどんな働きをするのか、またビタミンDが不足すると体にどんな問題が起きるのか、さらにビタミンDが不足した時の対策などを、セミナーで学んで来ました!
セミナーには、大阪樟蔭女子大学の津川尚子教授が登壇。最初にビタミンDの基礎知識にについて教えていただきました。
まず、ビタミンDは皮膚に日光が当たることでつくられるほか、きのこや鮭などを食べることで摂ることができます。「皮膚で作られたり、食品から摂ったビタミンDは大部分が肝臓に移行し、そこで25OHDという代謝物に変わります。これが血中のビタミンD結合たんぱく質と結合することで、血液中を長い期間にわたり循環します」(津川先生)
この「25OHD」は、ビタミンDが足りているかの指標になるんだそう。この25OHDの血中濃度が低下すると、骨折や転倒、心血管性疾患、がんなどのリスクが高まるとの報告もあります。
「中でも大事なのは骨への影響です」と津川先生。血中の25OHD濃度が下がると、副甲状腺ホルモン(PHT)濃度が上がってしまいます。骨は常に作り替えられていて、骨を溶解する破骨細胞と、骨を作る骨芽細胞の働きのバランスがとれていることが大事。でも、PHT分泌が多くなると、骨を溶解する破骨細胞優位になってしまい、骨粗しょう症などにつながってしまうんだとか!
さらに気になるのが、最近よく話題になるビタミンDと感染症の関係。研究でも、ビタミンDが不足するとインフルエンザ感染症や気道感染症に感染しやすいというデータも。これから冬本番を迎えるにあたり、ビタミンDを摂ることが大事なんですね。
それでは、血中の25OHDがどれくらいの濃度だとビタミンD不足の状態なのか、目安はこちら。
20ng/mL未満⇒ビタミンD欠乏
20ng/mL以上30ng/mL未満⇒ビタミンD不足
30ng/mL以上⇒ビタミンDが足りている
少なくとも、20ng/mL以上でないといけないようです。
◆日本人は多くの人がビタミンD不足!
ところが、ショッキングな事実も発覚!「日本人の25OHDの血中濃度を測定すると、思春期の子どもを除き、20代~高齢者は6~8割もの人がビタミンD不足です」(津川先生)。
25OHDの血中濃度が25ng/mL未満だと骨折リスクが上がるという研究も。ということは、多くの人が骨折リスクがある状態だなんて驚きです…。
それでは、1日にビタミンDをどれくらい摂ればビタミンDが足りている状態になるのでしょうか?基準となる25OHDの血中濃度20ng/mLを達成するには、ビタミンD摂取量は、1日15μgが目標に。
これを達成するには、食事で8.5μg、日光浴5~10μgを目安に摂ることが大切です。それでは、どうしたらその目安を達成できるのか見ていきましょう。
【1】鮭やマイワシなど魚を意識して食べる
まず食事の8.5μgは何をどれくらい食べたらいいんだろう?と思いますが、その目安がこちら。鮭、鰻、マイワシなどはビタミンDが多くなっています。ちなみに、魚の切り身一切れが100g弱。鮭一切れで約40μg摂れるので、鮭なら食事だけでも目標達成です。毎日魚料理ばかりとはいきませんが、週単位で摂れているかを意識してメニューを考えるのもいいんだそう。
【2】季節に応じた時間日光を浴びる
また、日光を皮膚に浴びることで目標の10μgのビタミンDを作るには、季節や場所によって日光に当たる時間が変わってきます。例えば下の表にあるつくばの12時でみると、日光が一番強い7月は6分でOKですが、日光が一番弱い12月だと41分とちょっと長め。ウォーキングをしたり、オープンカフェで過ごす時間をつくるなどで、日光を浴びるのもいいかもしれませんね。
【3】不足しそうなときはサプリを併用しても
ただ、魚料理はあまり食べないという人や、コロナ禍で外出が減って日光を浴びる機会が少ない、UVケアに気を使って日に当たらない…という人は、サプリメントを併用するのも一つの手。例えばこちらはチュアブルタイプで、手軽にビタミンDを摂ることができます。
カルシウムも補えるので、骨密度が気になる人にもぴったり。 大人のためのビタミンD3サプリメント 30粒(30日分)1,500円(税抜き)※森下仁丹公式オンラインショップにて販売
冬は、新型コロナ感染症もインフルエンザも風邪も、といろいろ気にしなければいけないことが増えて大変。そんな時期を元気に乗り越えられるよう、ウォーキングをしながら日光を浴びたり、ビタミンDを意識した食卓にしたりするなど、日々の積み重ねでビタミンDを摂っていきましょう!
◆資料提供/森下仁丹
取材・文/倉澤真由美