嚙み合わせが悪いことで起こるさまざまな問題を、歯科医師の佐藤由紀子先生がお答えします。
機能のトラブル
嚙み合わせの悪さや、食いしばりの癖など、その影響は年齢とともに思わぬところに表れることも。その不調…歯が原因かも!?
Q 噛み合わせが悪いことの問題点は?
A 不定愁訴の原因になります
嚙み合わせが悪くても、「若い頃からで、特に食べるのに支障がない」といった理由で、放置している人も少なくありません。
しかし、その影響は口腔内だけでなく、体の“なんとなく不調”の原因になっているかもしれません。
「あごがずれているケースも多く、こうなると顔が歪むだけでなく、頭痛、肩こり、疲れやすい、不眠などの症状を引き起こすことも。あごのずれを修正するのに、私のクリニックでは特殊加工のマウスピースを装置する『TS式ソフトアプライアンス』を用いています。ずれが解消すると、不定愁訴まで改善されることが多く、皆さん驚かれます」(佐藤由紀子先生)
こんな症状があったら要注意!
- □ 背中が丸まり、前かがみの姿勢になっている
- □ 眉の高さ、目の大きさ、鼻の向き、口角の高さ、ほうれい線の深さが左右で違う
- □ 目を閉じて片脚立ちをすると、バランスがくずれる
- □ 口を開けていくと、あごがずれていく
- □ 大きく口を開くと、耳の前の顎関節でコキンと音がしたり、痛みがある
こんな不調も改善する!?
頭痛、肩こり、疲れやすい、不眠などの不調も、噛み合わせを修正することで改善されます。
あごのずれを治した例
●BEFORE
顔の歪みがひどくなるのを感じて来院。下あごがずれていて、歯の正中線が上下で合っていませんでした
●AFTER
約半年間の治療で上下の正中線がそろいました。顔の歪みとほうれい線が減り、フェイスラインもすっきり
お話を伺ったのは
佐藤由紀子さん
Yukiko Sato
歯科医師。ナグモ歯科赤坂クリニック副院長。日本アンチエイジング歯科学会理事、日本歯科審美学会代議員
構成・原文/山村浩子
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