食材のpH(ペーハー)値による虫歯のリスクなど、重要視される予防歯科の知識について、歯科医師の佐藤由紀子先生、堀 滋先生に伺いました。
予防歯科
虫歯や歯周病、歯並びを治しても、口の健康を維持するためには毎日のケアが大切。歯磨きや口の体操など…実践したいこととは?
Q 口腔内の健康にいい食材、悪い食材ってある?
A pHが低いものほどリスクが高まります
「pH(ペーハー)とは水素イオン指数のことで、pH7が中性、値が小さくなると酸性、大きくなるとアルカリ性を示します。口腔内のpHが5.5以下になると、歯のエナメル質が溶かされます。通常は唾液の働きで中和され元に戻りますが(再石灰化)、pHが戻らないと虫歯になります。よって、pHが低い食品ほど虫歯リスクが高いといえます」(佐藤由紀子先生)
●食品ごとのpH値
Q バクテリアセラピーってなんですか?
A 体内菌のバランスを整える療法です
バクテリアセラピーはスウェーデンの学者が開発した予防医学です。
「乳酸菌の一種であるロイテリ菌などのサプリメントを摂取することで、善玉菌を増やし、悪玉菌の力を抑えます。こうして口腔内や腸内の菌のバランスを整えることで、口腔の健康だけでなく、体全体の病気を予防する効果があると、今注目されています」(佐藤由紀子先生)。
薬ではないので、乳幼児から高齢者、妊婦まで安全に行え、免疫力を強化する働きもあるという、まさに今の時代に実践したい健康法といえます。
Q 舌のケアって必要なのでしょうか?
A 口臭・感染症予防のために重要です
「舌の表面についた舌苔は細菌の温床で口臭の原因。毎日のケアに舌の掃除も加えましょう。また、普段の舌の位置が前歯についているのは『落ち舌』といい、舌の筋力が弱っている証拠。こんな人は特にスマイル体操を!」(堀 滋先生)
フック形状の極細ナイロン繊維が、舌苔を効果的に絡め取る。流水で洗いやすいので衛生的。
舌みがきスムーザーW-1 プレミアム¥638/シキエン
※堀 滋先生が紹介するwaiwaiスマイル体操は、下のリンクから読むことができます
お話を伺ったのは
佐藤由紀子さん
Yukiko Sato
歯科医師。ナグモ歯科赤坂クリニック副院長。日本アンチエイジング歯科学会理事、日本歯科審美学会代議員
堀 滋さん
Shigeru Hori
歯科医師。サウラデンタルクリニック院長。海外の最新治療を学び、全身の健康につながる医療を追求
イラスト/寺田久美 グラフ作成/ビーワークス 構成・原文/山村浩子
他にも「『歯の再石灰化』の情報」を公開中です!
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