更年期の代表的な症状であるホットフラッシュは、夏の暑さと関係して起こるのでしょうか。国際医療福祉大学医学部心療内科学主任教授の岡 孝和先生に伺いました。
ホットフラッシュは暑さに関係ない
更年期症状の代表的なものに、急に顔がほてったり、汗が止まらなくなるホットフラッシュがあります。
「ホットフラッシュは自律神経の調節がうまくいかず、一時的に血管の収縮や拡張のコントロールができなくなることが原因なので、暑さには関係ありません。ただし、ちょっと環境温度が変化しただけだったり、精神的なストレスなどでも誘発されるため、特に寒暖差のある環境ではつらく感じる場合もあるかもしれません」(岡 孝和先生)
更年期は暑さにも寒さにも弱くなる
「月経があるときの基礎体温は、月経後の卵胞期は低温期、プロゲステロン(黄体ホルモン)濃度が高い黄体期は高温期になります。更年期にはその差が少なくなり、閉経後は基本的に低温期だけになります。
このように女性ホルモンは体温調節にかかわっているため、女性ホルモンの分泌が減る更年期以降は、暑さにも寒さにも弱くなる傾向があります」(岡 孝和先生)
お話を伺ったのは
岡 孝和さん
Takakazu Oka
国際医療福祉大学医学部心療内科学主任教授。産業医科大学医学部講師、九州大学大学院医学研究院心身医学分野准教授を経て、2017年より現職。’20年より国際医療福祉大学成田病院心療内科部長を兼任
イラスト/いいあい 構成・原文/山村浩子