老化? それとも病気? 気づかないうちに進む「アイフレイル」をチェックしてみましょう!
私の目、大丈夫?
「アイフレイル」チェックテスト
目が疲れやすくなった
「人は目のさまざまな不具合を『目が疲れる』という言葉で表現するので、人によって実際に起きていることや原因はさまざまですが、老眼、ドライアイ、肩こりなどの原因を見つけ、それを治すことが大切です」(加藤圭一先生)
夕方になると見えにくくなることがある
「老眼の人は、夕方になると手元がより見えづらくなりますし、白内障でも夕方見えにくくなります。また、年齢によりメガネの度数は変わり、適切なメガネを使わないと夕方に見えにくくなることがあります」
新聞や本を長時間見ることが少なくなった
「この項目に当てはまる人は、老眼や白内障などが進んでいるサインです。それらにより新聞や本の小さい文字が読みにくくなるため、長時間読むのがつらくて疲れるので、だんだん見なくなっていくのです」
食事のときにテーブルを汚すことがある
「食事のときに以前よりもテーブルを汚しやすくなった場合、中距離が見えづらくなっている可能性が。メガネが適切でない場合もありますが、白内障で目がかすんでいることで中距離が見えにくくなっていることも」
メガネをかけてもよく見えないと感じることが多くなった
「これはメガネが合っていない場合もありますが、メガネばかりではなく、白内障や緑内障、網膜剝離など、何らかの目の病気がある可能性もあります。この症状がある人は早めに眼科を受診しましょう」
まぶしく感じやすい
「白内障やドライアイなどになっていると、今までより光がまぶしく感じやすくなります。それ以外でも、何らかの目の病気で物が見えづらくなると、まぶしさを強く感じやすくなる傾向があります」
まばたきしないとはっきり見えないことがある
「ドライアイの人に多い症状。加齢により涙の量が減るうえ、涙の蒸発を防ぐ力も低下し、目が乾きやすくなります。そして目が乾くと見えにくくなることがあります。効果のある処方薬で対応しましょう」
真っすぐの線が波打って見えることがある
「この症状がある人は、網膜の中心にある黄斑の病気になっている可能性があります。網膜の黄斑の上に膜が張る黄斑前膜、または黄斑がダメージを受ける加齢黄斑変性などの病気の疑いがあります」
段差や階段が危ないと感じたことがある
「白内障など、何らかの目の病気でコントラスト感度が低下している可能性があります。あるいは緑内障で視野の下側が欠けていると、下にある段差や階段が見えにくくなることがあり、その疑いもあります」
信号や道路標識を見落としたことがある
「こちらは上の【段差や階段が危ないと感じたことがある】と逆で、上側が見えにくくなっているパターン。緑内障で視野の上側が欠けていると、信号や道路標識など上にあるものを見落としやすくなります。脳の病気でも視野が欠けることがあるので注意」
チェックが0の人は…
チェックが0だった人は、今のところ目は健康で、老化も進んでいない状態。定期的にチェックするようにしましょう。
チェックが1つの人は…
目の老化がじわじわと始まっていて、健康状態にも懸念はありますが、直ちに問題があるわけではありません。今の状態をキープして。
チェックが2つ以上の人は…
目の老化が進みアイフレイルになっている可能性が。なかには緊急性が高いものも。なるべく早く眼科を受診して検査を受けましょう。
※アイフレイルについて詳しく紹介するWebサイト(アイフレイル啓発 公式サイト)で、アイフレイルについてアドバイスしてくれる全国のドクターを検索できます。
お話を伺ったのは
加藤圭一さん
Keiichi Kato
かとう眼科院長。医学博士。日本眼科医会常任理事。日本眼科学会専門医。宮城県でかとう眼科院長として診療を行うかたわら、アイフレイルアドバイスドクターとして啓蒙活動に取り組んでいる
イラスト/中村久美 取材協力/日本眼科啓発会議 構成・原文/和田美穂