脳の老化を防ぐための心構え4カ条!
これが実践できたら、脳はどんどん元気に。大げさに考える必要はありません。小さなことから始めてみて!
一番の老化防止策は働くこと
「脳に刺激を与える機会を増やすには、働くことが一番です。40歳を過ぎた頃から、幸せホルモンであるオキシトシンが増えてくるので、特に人と接する仕事がベスト。豊富な語彙や相手の気持ちを察する力を生かせる仕事が向いています。以前に金融関係の仕事をしていた人が、幼稚園の先生に転職したケースもあります。新しい趣味を始めたり、ボランティアで社会活動に参加するのもいいでしょう。いつも同じ人とだけでなく、年齢も性別も幅広い層の人たちと接する機会を増やすと、脳も若さを取り戻します」
新しいもの好きほど脳の老化は進まない
流行に関心がなくなった、新しいことを覚えるのがおっくうになった、なんてことはありませんか?
「40~81歳の男女1591人を対象に国立長寿医療研究センターが行った調査で、『新しいことが好きな人ほど年をとっても認知機能が落ちていない』ことがわかりました。新しいことに触れると、神経と神経をつなぐネットワークが新しく生まれます。いつもと違う道を歩くだけでOK。カフェで仕事をすると能率が上がるというデータもあります」
小さな生きがいを毎日ひとつ見つける
「アメリカのラッシュ大学で250人の高齢者を対象に、10年にわたって認知機能の調査を行いました。その人たちが亡くなったあとに脳の解剖を行ったところ、『生きがいがある人』は、脳に萎縮があっても認知機能が高く維持できていたことがわかりました。生きがいというほど大げさなものでなくてもよく、推し活でも、旅行に行くという目標を設定するだけでもOK。毎日1回、丁寧に入れたおいしいお茶を飲むといった小さなことなら達成感も味わいやすく、それで前頭前野が活性化します」
思い込み上等!主観年齢で生きる
「1981年の少し古い調査ですが、アメリカのハーバード大学で面白い実験をしました。70代の8人が22年前の内装の家で5日間共同生活をしました。インテリアや家電、置いてある雑誌も着る服も当時のもの。そして22年前の自分になりきって、当時の話をして過ごします。すると、姿勢がよくなって見た目が若返り、視力もアップ。考え方も柔軟になったというのです」。
実は自分を若く思い込むことが、一番の老化脳予防の特効薬かもしれません。
2008年に企業や個人のパフォーマンスを上げる会社を設立。著書は『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)など、海外も含めシリーズ32万部突破
イラスト/midorichan 構成・原文/山村浩子