少し前にご報告したアボット・ワールドマラソンメジャーズ(Abbott WMM)チャレンジ。世界のメジャーな6つのマラソン大会で制限時間内に完走すれば「Six Star Finisher」のメダルをもらえるというもの。世界のマラソンランナーの目標でもあり、23年1月時点でメダル保持者は8000人強。 私は、すでに走っている東京マラソンに加え、23年秋にベルリンマラソン、NYマラソンとクリアしてメダルゲットまであと3つ!
《ベルリンマラソン、NYマラソンのレポートはこちら》
◆フィニッシュ後はノンアルコールビールで乾杯!ベルリンマラソン2023を走ってきました:アボット・ワールドマラソンメジャーズを走ろう!(その1)/50代。乳がんサバイバーになりました。
◆街中がお祭り騒ぎ!ニューヨークマラソン2023を走ってきました:アボット・ワールドマラソンメジャーズを走ろう!(その2)/50代。乳がんサバイバーになりました。
というわけで、今回はロンドンマラソン2024を走ってきました。
ロンドンマラソン大会は世界屈指のチャリティーイベント
ロンドンマラソンは、1981年以来毎年4月に開催されるマラソン大会です。 ほかのメジャーズ大会も出走権はかなりの争奪戦ではあるのですが、ロンドンマラソンは世界屈指のチャリティーイベントとして知られており、出走権を得るためのハードルが高い大会としても有名です。 私の周囲のベテラン勢でも、ロンドンだけまだ走れていない、という人は割といます。
その理由は、ロンドンマラソンは定員のほとんどがチャリティー枠になっていて、残り少ない一般枠のほとんどでUK(英国)居住者が優先されているからです。例えば、ほかの大会でよく見かける、一定の記録保持者であれば応募できる枠も、ロンドンの場合はUK居住者のみとされています。それでも、今年の一般の当選倍率は30倍だったそうです。
理由はチャリティ金額が非常に高いから。最近のレートですと、最低でも日本円で20万~30万円台ぐらいのようです。
さらに、このチャリティ枠も、お金を払えば済むというわけではありません。
例えば東京マラソンのチャリティ枠は一般枠と同じように大会公式サイトからランナー自身が申し込みをします。ある意味、寄付分を余計に払っているだけで通常の応募と変わりません。
それとは異なり、ロンドンマラソンのチャリティ枠の場合、ランナーがまず個別にチャリティ枠を持つ団体に参加申し込みをします。ロンドンマラソンへ寄付をするのはこの各団体で、この団体に決められた必要な寄付額をランナー自身が集め、それをクリアしたらその団体内でエントリーができる(もしくは与えられる)という仕組みになっているのです。
このような仕組みは、海外では割とポピュラーで、NYC(ニューヨークシティ)マラソンのように決められたボランティア活動をすることで代替えできるという大会もあります。
というわけで、走るのが早くもない海外ランナーにとっては、特にロンドンマラソンにおいてはチャリティ枠一択しかないわけです。もちろん個人で海外から寄付団体に申し込みもできますがいろいろと大変なので、今回私たちは旅行代理店のツアーを利用しました。
ツアーといっても、代金にチャリティ金額も入るので、ある意味この旅行代理店がチャリティ団体というわけです。
ちなみに、この旅行代理店がチャリティ枠でエントリー権を得られたのは今回が初めてだったそうです。 本当にラッキーだったと思います。
ロンドンの名所を見ながら走るマラソンコース。テムズ川やロンドン塔、バッキンガム宮殿も!
ロンドンマラソンのコースは、グリニッジ王立公園からテムズ川沿いのカティー・サーク号、タワーブリッジ、ドックランズ、イースト・エンド、ロンドン塔、バッキンガム宮殿の前を抜けてフィニッシュします。 人数が多いせいか、ランナーはレッド・ブルー・グリーン・イエローと4つのブロックに分けられ、さらにそこからウェーブスタート(早いランナーから順にスタートさせる)という複雑さです。
まずスタート地点のグリニッジ王立公園が広い広い。世界標準時の基準とされた旧天文台がどこかにあるはずだったのですが、自分のスタートエリアを探すことに必死で、全然わかりませんでした。
さらにコース前半はロンドン郊外にあたり、ほぼ住宅地と公園を走る設定。私は夫とスタートブロックが違ってしまったので途中で待ち合わせしていたのですが、似たような景色が続くので距離表示しか目安がなく、少しわかりにくかったですね。
このコースが違うというのは、人数が多いマラソン大会だとランナーをいくつかのブロックにわけて、最初の混雑する区間(3~5kmが多い)を別の道を走らせるというものです。もちろん途中で合流しますが、スタート地点は異なります。そのうえ、ロンドンマラソンはウェーブスタートだったので、かなりカオスな状態でした。
とはいえ、テムズ川にたどり着くと、ウィスキーでも有名なカティー・サーク号が見えてくるので気分も盛り上がります。さらにタワーブリッジを渡ると、ウォーターフロントエリアはジグザグが多く少しきつかったものの、ロンドン塔やウェストミンスター寺院などが見え「ロンドンを走ってる!」気分は最高潮!フィニッシュ直前にバッキンガム宮殿の前を通過するなど、「英国!」といったビジュアルが多く、楽しかったです。
車椅子ランナーと一緒に走ったり、本格的な仮装の人が目立ったり。ロンドンマラソンならではの雰囲気を味わいました。
素晴らしいと感じたことのひとつが、車いすの人や酸素吸入器などをつけた人が、介助のランナーと一緒に出走していたことです。
日本やほかの国の大会では、私は車椅子ランナーと同時に走った経験はありません。例えば東京マラソンなどでは、車椅子ランナーはエリートランナー(パラアスリート)だけだったと思いますし、スタート時間も分かれていました。一般の車椅子ランナーや酸素吸入器等をつけたランナーといっしょに走る経験ができるのは、さすがチャリティに熱心な大会だけあるなあ、と思いました。
あと、仮装が有名とは聞いていたのですが、それが本格的なことも印象的でした。例えばNYなどだと、ポケモンとかマリオなどのアニメキャラのようなものが多いのですが、ロンドンマラソンは、塔やら怪獣やら動物、はたまた消防車(!)などリアルで本格的なものが多くて、よくそれで走れるなあと感心しました。ちなみに着ぐるみや仮装は、支援する団体に関するものが多く、活動をアピールしているそうです。
そういえば、普通に電話しながら(イヤホンなどではなくスマホを耳に当てているスタイル)走っている人を妙にたくさん見かけたのですが、誰と話していたのでしょうか??
スタッフの数が少ないことも少し驚きでした。誘導やコース上のスタッフも最小限という感じで、時々歩行者がコース上を横切ったりするのですが、誰もが普通にしています。
そういう意味では、自己責任での大人の大会という印象も強かったように思います。
そんな感じで、事前に聞いていたようなお祭り騒ぎというよりも、スムーズでクリーンな印象も強かったロンドンマラソン、お国柄もあるのでしょうね。
もう一度走ってみたいなあとは思うのですが、残念ながらお財布事情的にも可能性は低そうです(笑)