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10月23日 晩秋の「霜降(そうこう)」は深呼吸で肺のバリアを高めて!

「霜降」は秋も深まり、その名前通り霜が降り始める頃です。寒さが増し、空気が乾燥してくるこの時期、特に注意することとは? 漢方専門店・薬日本堂の薬剤師で漢方スクール講師の齋藤友香理さんに伺いました。

喉や肺を守る食材をチェック!

旧暦の1年を24等分して、季節の移り変わりとそれに伴う生活の知恵を結びつけた「二十四節気」の養生法。この考えは紀元前の中国で生まれ、日本でも古くから親しまれています。

二十四節気 表

二十四節気はまず1年で昼の時間が最も長い日を夏至(6/21)、最も短い日を冬至(12/21)と決め、そこに昼と夜の長さがほぼ同じになる日である春分(3/20)と秋分(9/22)を加えて、1年を春夏秋冬の4つの季節に区分。さらにその中を、気温の変化や気象現象、動植物の様子などで6つに分けたものです。(詳しくは第1回参照)

※日にちは国立天文台発表の2024年のもので、年により多少前後します。

 

「二十四節気は長年の生活経験や知識で導き出した、農作業の目安にするための『気候・天気の予報』であり、それに従った養生法は、『人は自然の一部で、自然と調和して生きることが大切』という考え方に基づいた健康管理の知恵です。これらは漢方の陰陽論や五行説ともつながっています」(齋藤友香理さん)

二十四節気 12回 霜降 サムネ

「霜降」には寒さが増し、季節は晩秋に差しかかります。

 

「この時期は、『霜始降(しもはじめてふる)』という、草木が枯れ、霜が初めて降りる頃。『霎時施(こさめときどきふる)』と時には冷たい時雨(しぐれ)が降り、『楓蔦黄(もみじつたきばむ)』といわれるように、楓(かえで)や蔦の葉が色づき、山々は赤や黄色に彩られていきます。

 

これから迎える寒い冬には、人間も動物も省エネモードになっていきます。それを目前にしたこの時期は、その準備をしておくことが大切です。

 

乾燥や冷たい空気は呼吸器・肺に負担がかかります。秋から冬にかけては風邪をひきやすい季節。

 

喉の痛みやイガイガなどの違和感を覚えたら、手作りの『大根あめ』がおすすめです。大根をひと口大ほどのサイコロ状に切って容器に詰め、はちみつを注いでひと晩おきます。すると大根からの栄養素が出てきて、はちみつがサラサラになります。その液をスプーンですくって飲みます。

 

また咳が出るときは、大根とれんこん(もしくはどちらかひとつ)をすりおろし、温め効果の高いほうじ茶に混ぜて飲むといいでしょう。使用するのはれんこん粉(パウダー)でもOK。

 

大根の辛味は風邪の原因になるもの(ウイルスや菌など)を体外に出し、れんこんは粘膜を潤してくれます。ほかにしょうがやねぎも辛味食材として、邪気を排出して肺を助けてくれます。

 

冬に備えて、栄養素をしっかりとることも大切。鮭や鶏肉、卵、にんじん、りんご、なつめなどで滋養をつけましょう」

新鮮な空気を取り入れて呼吸器を整えて!

「そして、この時期には体をしっかり動かしておくことが大切です。

二十四節気 12回 霜降 ハイキング

山々は色鮮やかな紅葉に彩られる頃なので、ハイキングに出かけるのもいいでしょう。そのときに新鮮な空気をたっぷりと体に取り入れます。

 

そして日頃から深呼吸を心がけるようにします。ゆっくり鼻から息を吸って、口から(鼻からでもOK)息を吐きます。こうすることで、呼吸器のバリア機能が高まります。

 

風邪予防にはアロマオイルを使ったマッサージ、もしくは服の上から軽くこすって、肌を少しだけ刺激するのもおすすめです。

東洋医学では肌と肺は関係し合っているので、肌を刺激することで肺の機能を高めることができると考えます」

 

 

【教えていただいた方】

齋藤友香理
齋藤友香理さん
薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師
公式サイトを見る
Instagram

東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務め、多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら外部セミナーも担当し、漢方を学ぶ楽しさを広めている。また「養生を指導できる人材」の社員育成、『薬日本堂のおうち漢方365日』『薬膳・漢方検定  公式テキスト』など、書籍監修にも多く携わっている。

 

 

イラスト/河村ふうこ 取材・文/山村浩子

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