テレビやネットで同世代の有名人の訃報を目にすると、やはりショックを受けます。女性だった場合にはことさら身近に感じて、原因などを知りたくなります。
ある著名な女性が亡くなった時に、更年期障害が原因の一つではないか、酒量が多かったのではないか、といった記事を見かけました。推測でしかないとわかっていても、更年期という表現に不安になってしまった同世代の方も多かったのではないでしょうか。かくいう私もその一人です。
そんな不安を感じたときに、ちょうど乳がん手術後に10年続く、年に2度の定期健診があったので、主治医に疑問をぶつけてみました。
なお、私の状況は正確には更年期ではありません。乳がん手術後に再発防止のために女性ホルモンを抑える薬を飲む「ホルモン療法」によって、ほぼ更年期と同じ症状に悩んでいる状態です。 細部の違いはあると思いますが、わかりやすいようにここでは更年期障害とほぼ同様に書いていることを、ご了承ください。
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更年期だから飲酒がダメなわけではなく、根本的に酒量を減らしたほうが体によいという方向に
主治医にまず、更年期にアルコールはいけないものなのかと質問してみました。
それに対して、更年期+アルコール=悪、ということはない、という回答です。 ただ、適量であることが前提であれば、ということでした。
では、「適量って?」という話になるのですが、これは厚生労働省がすでに目安の数値を定めています。若い頃から聞いてきた「減塩で健康に」というのと同じように、最近は「アルコール量を減らして健康に」という流れがあるようです。
あらためて調べてみると、1日当たりの純アルコール摂取量が男性で40g以上、女性で20g以上が飲みすぎということでした。
20gをお酒に換算すると、ビールならロング缶1本、ワインならグラス2杯弱くらいなので、思ったよりかなり少なくてちょっとびっくりしました。私もお酒が好きなほうなので、飲むときはこれより多く飲むことも多いです。
なににしろ、更年期という時期というより、根本的にアルコール量の問題が健康に及ぼす影響が大きいということなんですね。
ちなみに主治医に、更年期世代の突然死についても聞いてみました。主治医によると、突然死が更年期に関係あるかどうかは、司法解剖の結果を見るなどしないとわからない。ただ、もしそれが関与しているのだとしたら、ホルモンバランスが崩れることにより、メンタルが落ちてしまい深酒になりやすい人がいるのは事実ではあるとのことでした。
とりあえず体力的な面でも、内臓の強さ的にも、年齢を重ねてお酒の量が多いのは推奨されることではないことがよく分かりました。乳がんサバイバーである自分は、とくに酒量に注意すべきなのだと自覚しました。
でも走った後のビールはおいしいんですよねえ、うーん。
更年期世代にとってのお風呂や運動は健康のために推奨できる
それ以外に自分のような更年期世代が注意できることはなにか、ということも主治医に聞いてみました。
まず、お風呂について。もちろんお酒を飲んでお風呂に入ることはヒートショックなどもあり、脱水の危険も増えるのでNGです。それ以外の入浴は、更年期だからどうということはここでもないし、むしろ代謝を上げる意味合いではいいことだそうです。運動で汗をかくことも同様です。
ただ、注意してほしいのが、水分量だとのこと。 水分量が減る=脱水になりやすく、つまり血液がドロドロになりやすいのです。 健康診断でも尿素窒素などの数値に現れることもあるようで、実際私は午前中ランニングしてから検診に行ったら、数値が上がっていてどうしたのか聞かれたことがあります。特に女性は、むくむのが嫌であまり水を飲まない人も多いそうで、気にしてほしいということでした。
また併せて血圧に注意すべきだと言われました。私は若いころからむしろ血圧が低いほうなのですが、更年期世代には高血圧の傾向が出てしまう人も多いそうです。更年期に女性ホルモンが減ると中性脂肪が蓄積されやすくなったり、血管のしなやかさが失われたりして高血圧になりやすくなるのだそう。 そういう人は、上に書いたように水分量と合わせて注意したほうがいいそうです。
いかがでしょうか。 こうやって書くと、更年期だからというよりも、いつでも基本的な生活に気を付けるべきだということがわかりますよね。私はランニング(運動)しているから大丈夫、とどこか思っていたところがあるのですが、あらためて注意しなければ、と思いました。
長くずっと元気に楽しく生きるために。一緒に頑張りましょう。