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3月5日、春の陽気が高まる「啓蟄(けいちつ)」はアレルギー対策を万全に!

さらに季節は進み、3月に入った「啓蟄」の時期には、生活の中にも春の気配が感じられるようになります。日本では花粉が舞い、アレルギー症状に悩まされる人も少なくないでしょう。そんなときは、どのように過ごしたらいいのでしょうか? 漢方専門店・薬日本堂の薬剤師で漢方スクール講師の齋藤友香理さんに伺いました。

春の陽気とともに増えるアレルギー症状に要注意!

「3月3日の『桃の節句』が終わり、すぐに来るのが『啓蟄』です。啓蟄の「蟄」とは虫が土の中にこもっている様で、「啓」は戸を開くことを意味します。つまり、虫たちが冬眠から覚めて、穴から出てくる頃という意味です。

 

『蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)』はまさに、冬ごもりをしていた虫たちが、戸を開いて地上に出てきて、『桃始笑(ももはじめてさく)』、『菜虫化蝶(なむしちょうとなる)』というように、桃の花が咲き始め、菜の花についた青虫が羽化して紋白蝶(もんしろちょう)になり舞い始めます。

二十四節気 啓蟄 カエルのイラスト

 

とはいえ、現代の日本では、地域によりますが、虫などが活動を始めたり、桃の花が咲き始めるのはもう少し先のようです。それでも着実に『陽気』が高まり、春の気配があちらこちらに現れてきます。

 

そしてこの頃になると、毎年悩まされるのが花粉症です。春一番が吹いたあとも、風がよく吹き、それに伴い、花粉症だけでなく、目の充血や湿疹などのアレルギーを起こしやすくなります。それに備えておくことが大切です」(齋藤友香理さん)

 

アロマの蒸気浴でムズムズする鼻をすっきり!

「鼻がムズムズしたり、鼻水や鼻づまりがひどいときには蒸気浴がおすすめです。

二十四節気 啓蟄 養生法 蒸気浴 イラスト

蒸気浴の方法は、洗面器に熱い湯を張り、好みの精油を1~2滴垂らします。イラストのようにタオルを頭にかぶり、この状態から顔を洗面器に近づけます。顔と洗面器の距離は10㎝くらい、タオルでドームを作り湯気が逃げないようにして、目を閉じて、ゆっくり深呼吸をしながらその蒸気を吸い込みます。

 

花粉症におすすめの精油はペパーミント、ティートゥリー、レモンなど。いずれも、リフレッシュ効果や抗菌効果があり、鼻の通りをよくし、気管支系を落ち着かせるのに役立ちます。

 

湯がぬるくなるまで、5~10分ほど行います。湯気の湿度と精油の効能で鼻がすっきりします。熱い湯を扱うときには、くれぐれも火傷には注意してください。また、気分が悪くなるようなら、すぐに中止してください。

 

記事が続きます

この頃の体は冬の間の毒素をため込んでいるので、デトックスが必要な場合も。それには、気や血の流れなどを整えて、解毒機能にかかわる五臓のひとつである『肝(かん)』の働きを高めることが大切です。

 

特にこの時期には、しそ、春菊、セロリなどの香味食材を積極的に食べるのがおすすめです。おひたしやサラダにしたり、お茶にシソの葉を入れて飲むのもいいでしょう。

 

春キャベツ、たけのこ、ハマグリなどの甘味食材もこの時期の体調を整えるのによい食材です。これらはどれも春を感じる旬の食材。上記の香味野菜とともに炒め物にしてもいいですね。

 

デトックス効果が期待できるはと麦茶を飲むのもいいと思います。はと麦はイネ科の植物で、余分な水分や老廃物を外に出す働きがあり、ヒスタミンやTNF-αといったアレルギー症状の原因物質を抑える効果が。肌のターンオーバーを整えるので、美肌効果も期待できます」

 

 

二十四節気の養生法とは?

旧暦の1年を24等分して、季節の移り変わりとそれに伴う生活の知恵を結びつけた「二十四節気」の養生法。この考えは紀元前の中国で生まれ、日本でも古くから親しまれています。

二十四節気 表

二十四節気はまず1年で昼の時間が最も長い日を夏至(6/21)、最も短い日を冬至(12/22)と決め、そこに昼と夜の長さがほぼ同じになる日である春分(3/20)と秋分(9/23)を加えて、1年を春夏秋冬の4つの季節に区分。さらにその中を、気温の変化や気象現象、動植物の様子などで6つに分けたものです。(詳しくは第1回参照)

※日にちは国立天文台発表の2025年のもので、年により多少前後します。

 

「二十四節気は長年の生活経験や知識で導き出した、農作業の目安にするための『気候・天気の予報』であり、それに従った養生法は、『人は自然の一部で、自然と調和して生きることが大切』という考え方に基づいた健康管理の知恵です。これらは漢方の陰陽論や五行説ともつながっています」

 

 

【教えていただいた方】

齋藤友香理
齋藤友香理さん
薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師
公式サイトを見る
Instagram

東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務め、多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら外部セミナーも担当し、漢方を学ぶ楽しさを広めている。また「養生を指導できる人材」の社員育成、『薬日本堂のおうち漢方365日』『薬膳・漢方検定  公式テキスト』など、書籍監修にも多く携わっている。

 

 

イラスト/河村ふうこ 取材・文/山村浩子

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