初の東京マラソン当選後に乳がんが発覚。チャンスを無駄にしたくなくて…
先日、東京マラソンを走ってきました。情けないことに直前まで風邪をひいていて内容は散々ではあったものの、無事に完走して4個目の完走メダルをゲットすることができました。
私は、東京マラソンには特別の思いがあります。なぜなら、乳がんが見つかった年に初めて東京マラソンに当選したから。今でもなかなか当選しないといわれる東京マラソンですが、とにかくこのチャンスを無駄にせず走りたいと主治医に相談し、放射線治療にもランニングで通っていました。
結局、この年はコロナのせいで東京マラソンは中止になり、待つこと二年、2021年に再開、無事に完走できたことはそのあとのブログにも書きました。ありがたいことに、その後なぜか毎年当選できて今回で4度目。走るたびに、そのころの必死さを思い出します。
あの怒涛の手術イヤー(結局3回手術することに)は、今思えば「東京マラソンを走りたい!」という目標があったからこそ前向きになれていたのではないかと思うのです。
参加予定者全員に送られてきました)を含めた、東京マラソンのメダルたち。
今でもそこまで速くはないものの、アボット・ワールドマラソンメジャーズのような海外のマラソン大会に参加したり、ペーサー(ランナーが目標タイムを出すためのペースメーカー)などもさせていただくようになりました。走ることは確かに私に大きな自信をくれましたが、そのきっかけはやはりあの乳がんであり、東京マラソンに出たいという強烈なモチベーションがあったから、それをポジティブに乗り越えられたのだと思っています。
むしろ老後の健康の不安が減るメリットも
もちろん、走ることによる効果も大きいのですが、乳がんサバイバーになってむしろ健康に自信がついたことはよかったことの一つでした。矛盾して聞こえると思うので、理由を説明しますね。
サバイバー生活はみなさんが思う以上に定期健診が多いです。マンモグラフィー、超音波検査、血液検査(マーカーチェック)・・・それ以外にも10年間飲み続けるホルモン治療薬は3か月分以上処方できないので、薬のためにも通院が必要です。そのホルモン治療薬でリスクが上がるといわれる子宮体がんの検査なども含めたら、なんやかや2-3か月に一回は病院に行っている計算になります。
私たちの年代だと、どこかしら体の不安があるという人も多いでしょう。でも、明確な症状がなかったら、なかなか病院に足を向けにくいものです。勤め人なら会社の健康診断もありますが、例えばフリーだったり、専業で家にいらっしゃったりするとなかなかそのような機会がない、というケースもあると思います。
反面、私は強制的に病院に行く必要があります。薬のためだけでも主治医と会って話します。患部の状態を見たりリンパの腫れがないかなどもチェックしますし、最近気になること(眠れないとか、今年の暑さでホットフラッシュが大変だったとか)なども伝えて、対処方法を教えてもらったりします。ブレストまわり以外の問題だと主治医もあやふやなことは言えないと、別の科の受診手続きを取ってもらったこともあります。もちろん通う手間は手間ですが、血液検査などの記録やカルテも継続してチェックするわけですし、ものは考えよう。定期的に自分の健康状態を見てもらっていると思えばこんな心強いことはないと思いませんか。
サバイバー生活も順調なら残り4年に
いかがですか。もちろん病気になったほうがいいとか、そんなことを言うつもりは毛頭ありません。症状にもよります。けれども、病気になったから何もかもあきらめなければならないことはないし、もしかしたらささやかでもなにかのきっかけになることだってあるのです。
そんな私の気持ちや体験を書きたいという思いだけで始めさせていただいたこのブログも、気が付いたら今回で80回を数えるまでになりました。月に1回としても6年以上続けているわけで、まさに私のサバイバー人生そのものの記録です。有名人でも芸能人でもない私がこんなに長くブログを続けてこられたのも、読んでくださる皆さんがいらしてこそです。本当にありがとうございました。
私のサバイバー生活はまだあと4年続く予定(手術後10年間ホルモン療法が続くため)ですが、このブログはいったんここで終わりになります。これからも走り続けながら元気に過ごしていくつもりですので、どこかの道の上で走る私を見かけたらぜひ気軽に声をかけてくださいね!