タンパク質が同時にとれるパスタ料理も上手に活用!
糖尿病の予防や改善のメニューというと、糖質を制限するのが一般的。ところが、炭水化物を抜く極端な糖質制限は逆効果になることもあると大坂貴史先生。
「炭水化物を上手に取り入れて、タンパク質を中心に栄養バランスのとれた内容にすること、そして、なにより持続しやすい食事を心がけることが大切です。
炭水化物の大切さは第1回参照。
糖質を考えるとパスタ類は食べてはいけないと思っている人も多いのですが、意外とタンパク質も多めなので、上手に取り入れるといいと思っています。
特にデュラムセモリナ粉のパスタがおすすめです。
これはデュラム種の小麦を粗挽き(セモリナ)にした粉のことで、ほかの小麦製品に比べてタンパク質を多く含みます。これを使ったパスタ料理を、メニューに上手に加えるといいでしょう。
お米はタンパク質が少ないので、必ずタンパク質のおかずが必要になります。一方で、パスタ料理なら、魚介や野菜などを加えれば、一皿で栄養バランスが整いやすい利点があります。味つけをかつお節などの和風味に仕上げることもでき、味のバリエーションも楽しめます。
糖質ばかりに目を向けていると、ほかの大切な栄養素を見落としてしまいがちに。ゆでたパスタ約240g(乾麺約100g)にタンパク質量は約14g含まれます。1食のタンパク質目安量が20gなので、そこそこの量がとれることになります。
とはいえ、カロリーや糖質は少し高めなので、毎日食べることはすすめません。ランチなどに、時々上手に取り入れていくといいと思います」(大坂貴史先生)
全粒粉とにんにくの風味豊かな一皿に!
「具にシーフードミックスとズッキーニをたっぷり加えることで、通常、パスタ1人分は約80gが目安ですが、60gに抑えても十分なボリュームになります。全粒粉パスタは風味豊かなので、味つけににんにくを利かせるだけで、塩分を控えてもおいしく仕上がります」(沼津りえさん)
全粒粉パスタの魚介アーリオ・オーリオ
具がゴロゴロ入っているので、パスタの量を減らしても食べ応えがあります。シンプルな味つけなのに旨味たっぷり。一皿でさまざまな栄養素がとれるのがうれしい。
エネルギー370㎉、タンパク質18.3g、脂質11.1g、糖質41.0g、食塩相当量1.6g
【材料・1人分】
全粒粉スパゲッティ(デュラムセモリナ粉のもの):60g
シーフードミックス(エビ、イカ、アサリ):80g
ズッキーニ:50g
にんにく(みじん切り):10g
オリーブ油:小さじ2
塩:小さじ1/4
こしょう:少々
水:300㎖
【POINT】
ズッキーニはピーラーで薄切りにすると、ボリューム感のある仕上がりになります。
【作り方】
1 シーフードミックスを塩水でもどし、水気をふく。
2 フライパンにオリーブ油、にんにくを入れて弱火にかけ、うっすら色づいたら、1のシーフードミックスとピーラーで薄切りにしたズッキーニを加え、1分ほど炒める。
3 2に水を加え、沸騰したら塩、スパゲッティを加えて約7分ゆでる。※スパゲッティの表示ゆで時間で、時間と水量を調整。
4 水分がなくなったら、全体を混ぜ合わせ、こしょうをふって皿に盛る。
ズッキーニをほかの野菜に替えたり、シーフードミックスをほかの魚介に替えてもOK。辛いものが好きな人は、これに唐辛子を加えて、ペペロンチーノにしてもおいしそうです。
【教えていただいた方】

【レシピ・料理】

撮影・スタイリスト/沼津そうる 取材・文/山村浩子