HAPPY PLUS
https://ourage.jp/karada_genki/more/389425/

10年後の健康は座り姿勢で決まる! その意外なコツとは?

あなたは自分の体を正しく使っていますか? 「どんな機械にも取扱説明書があるように、私たちの体を健康に保つためには、体の取説に忠実であるべきです」とは、鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師で、「日本パーフェクト整体普及協会」(JPSA)代表の片平悦子さん。そのために、「これだけはやめるべき習慣」について伺いました。

座り姿勢が将来の健康を左右する

日本人は世界一、座っている時間が長いといわれています。まずはそれをやめて、生活の中に適度な運動を取り入れるのがよいのですが、その前に、普段何気なく行っている、座り姿勢が重要だといいます。

 

「1週間は24時間×7日=168時間。肩がこる、腰が痛いと言って、毎週整体院に通ったとしても、168時間のうち1時間程度です。『整体院に行っているから姿勢なんて気にしない!』と思っていると、体は徐々にその癖によって変形し、70歳を過ぎたあたりから、体のあちらこちらに痛みを感じることになりかねません。

 

どんな家電や機器にも取説があるように、私たちの体にも取説があります。手足や首の可動域、その動きを支える肩甲骨や骨盤、背骨といった骨や関節。その動きの法則を無視して体を使っていると、その負荷が積み重なり、やがて本来の動きができなくなり、痛みになっていきます。

 

私は長年、鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師として多くの患者さんをみてきました。70歳を過ぎてあちこちにガタがくる人は、本来、私たちの体を正しく使う『取説』を、まったく無視している人がとても多いですね。

 

とはいえ、その取り扱い方を教えてくれる人は、なかなかまわりにはいないものです。そこで、私は患者さんによく『日々の座り姿勢に気をつけること』を提案しています」(片平悦子さん)

 

あなたは普段、どんな座り方をいていますか? これだけはやめるべき「座り癖」がこの3つ!

 

【これだけはやめたい座り癖】

1 脚を組む
2 横座りをする
3 あぐらをかく

 

「これらの座り癖がある人は、やがて骨盤が歪んできます。1と2は左右に歪み、3では腰が後ろに倒れてきます。するとその骨盤とのバランスをとるため、全身が少しずつ歪んでいきます。その歪みが、肩こり、腰痛、四十・五十肩、頭痛といった痛みになっていきます。

 

例えば、ぎっくり腰は、骨盤の歪みがひどくなり、まわりでサポートしていた腰や背中の筋肉が支え切れなくなって、 仙腸関節(骨盤を構成する仙骨と腸骨の間にある関節)が炎症を起こした状態です」

さて、あなたは大丈夫でしょうか?

 

記事が続きます

 

「これ以外にも、時々、電車の中で足を前に投げ出し、尾骨で座っている若者を見かけます。すると『将来、老後には腰痛になるだろうな』と見ていてヒヤヒヤします。取説を知らずに、間違った体の使い方をしていると、結局、老後に痛みやしびれという形で代償を払うことになります。

 

では、骨盤の正しい位置とはどこでしょうか?

脳脊髄液 正しい座り方 体の取説 骨盤解剖

まず、立った状態で尾骨の先端に指を当ててみましょう。その位置より肛門はもっと下にありませんか? 確認してみてください。そして、肛門よりも下に坐骨があります。

 

ということは、正しく座ったときは、座面に坐骨はついているけれど、肛門はほんの少し浮いているのが正解です。もちろん尾骨は座面にはついていません。

 

このことを踏まえていれば、椅子に座ったとき、自分は正しく座っているかを確認できると思います。

 

正しい座り方をするには、まず浅く椅子に腰かけて、坐骨で後ろ歩きをしながら、背もたれと座面の角まで移動します。すると、骨盤が起きた状態で腰かけることができます。そうしたら、そのまま背もたれに寄りかかれば完璧です」

 

【足指ニギニギ】

「ただ、反り腰になっている人は、上記の座り方をしても背もたれに腰椎(ウエストあたりの背骨)がつかない場合があります。

脳脊髄液 体の取説 正しい座り方 足指 ニギニギ

そのような場合は、椅子に座ったあとに、足の指をギュッと曲げて、グーを作ってみましょう。すると、へそが腰椎を後ろに押してくれるので、腰部が背もたれにつきやすくなります。反り腰の人は、この『足指ニギニギ』を時々意識するといいでしょう」

 

 

正座やあぐらはタオルでサポート、脚組み矯正は両膝をしばる!

では、床に直接座る必要がある場合はどうしたらいいのでしょうか?

 

「横座りはNGです。正座がいいでしょう。その場合、お尻の下に正座椅子か丸めたタオルを置いて、お尻の位置を膝よりも高くすると、腰がすっと伸びます。あぐらも丸めたタオルなどをお尻の下にかませて、お尻の位置を膝よりも高くするのがおすすめです。

 

脚を組む癖が直らない人は、矯正方法として、椅子に座ったときに両膝をタオルなどでしばる方法があります。家にいるときにエクササイズだと思って実践すると、次第に内股(内転筋)に力がついて、脚を組まずによい姿勢を保てるようになると思います」

 

 

【教えていただいた方】

片平悦子
片平悦子さん
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
公式サイトを見る

一般社団法人日本パーフェクト整体普及協会(JPSA)代表。赤門鍼灸柔整専門学校(現、仙台赤門医療専門学校)卒業後、東北大学や金沢大学医学部で2年間の解剖学実習研究生を経て、1986年に仙台市にて鍼灸院を開業。25年の整体師経験からパーフェクト整体®️3大メソッドを確立し、2012年に上京。パーフェクト整体のリアルの講座は500人以上、オンライン講座では3000人以上が受講。著書は10冊あり、累計17万部を超えている。 片平悦子 著書 3つの体液を流せば健康になる!

 

 

イラスト/かくたりかこ 取材・文/山村浩子

MyAge

大人のからだバイブル vol.2 「痛み知らずの体になる!」

OurAgeの人気記事が1テーマムックに!
何度も読み返せる保存版OurAgeです。

MyAge
試し読み Amazon Kobo 7net

この特集も読まれています!

子宮筋腫特集~症状から治療まで
フェムゾーンの悩み解決
ツボ・指圧で不調を改善
40代からでも「絶対痩せる」
広瀬あつこさんの「若返りメイク」
閉経の不安を解消
記事が続きます

今すぐチェック!

第2弾『男で受けた傷を食で癒すとデブだけが残る たるんだ心に一喝!! 一条ゆかりの金言集2』が、電子書籍で発売に!

第2弾『男で受けた傷を食で癒すとデブだけが残る たるんだ心に一喝!! 一条ゆかりの金言集2』が、電子書籍で発売に!

<前の記事

<前の記事
第7回/しっかり肺で呼吸するための「背中呼吸」

次の記事>

次の記事>
第9回/膝痛の予防には「ブランブラン体操」が効く!

この連載の最新記事

第2の心臓を強化する「静脈サポート体操」でむくみ防止

第10回/第2の心臓を強化する「静脈サポート体操」でむくみ防止

膝痛の予防には「ブランブラン体操」が効く!

第9回/膝痛の予防には「ブランブラン体操」が効く!

10年後の健康は座り姿勢で決まる! その意外なコツとは?

第8回/10年後の健康は座り姿勢で決まる! その意外なコツとは?

この連載をもっと見る

今日の人気記事ランキング

今すぐチェック!

OurAgeスペシャル