相手に「ココロを開いている」と示すのが、あいさつの役割
お正月気分はとうに過ぎ去り、すでに通常運転かと思いますが、いつもの日常のスタートといえば「あいさつ」ではないでしょうか。
よく、あいさつができない人は信用ならないとか、あいさつは基本だからしっかりしなさいと親からの一番初めの躾ではありませんでしたか? 特にあいさつは何かとその人を判断する基準になったりしますよね。なぜかというとあいさつは、相手への警戒心を解き、私は「ココロを開いている」意思を示すものだからだそうです。
そのあいさつで一日の中で最初にかける言葉は「おはよう」「おはようございます」です。
「おっはー!」「おはようでやんす」など世代や習慣で違うかもしれませんが、ベースは「おはようございます」ですね。
よく使われるこの「おはようございます」が広まった由縁のひとつは、歌舞伎界でのあいさつから、と聞きます。
歌舞伎はご存じの通り1日を通して公演が行われます。そのため夜遅く帰った座長さんが、翌日また公演場所に出向いた際に、それを出迎える人たちが「お早くからご苦労様です」もしくは「お早いお着きで」とあいさつしていたそうです。それがいつの間にかお早い部分が変化したのか「おはようございます」となったと言われています。
そのため本来は朝だけにするあいさつではなかったということです。今でも業界の方が夜、深夜でも関係なく「おはようございます!」を使うのは、ここから来ているのかもしれませんね。
では、眠る間際のあいさつ「おやすみなさい」はどうでしょうか。
これはなんとなく予測がつくかもしれませんが、一説では昔の宿屋で「ゆっくりおやすみくださいね」が語源だということです。休息、休暇を表す「お休み」が丁寧な命令形になり、その人が早く疲れをとり、明日も元気で活動できるようにほんの少し背中を押す感じになっているかもしれません。
そんな「おはようございます」と「おやすみなさい」の意味がわかると、なんだかその人の体調や気持ちに寄り添いながら言葉をかけられるような気がするのは私だけではないような気がします。
私は自身はこの連載でも自分のブログで最後は必ずいつも同じ言葉をお伝えしています。
では、2022年もみなさま「今宵も良い眠りを」