触覚、嗅覚、視覚に続き、今回は聴覚に集中するワークを紹介します。自分が今いる場所で聞こえるたくさんの音に良い悪いなどの評価や感想は持たず、感覚をありのまま受け止めるのがポイント。これが、ストレス反応の原因となるストレッサーを手放す「マインドフルネス」の練習になります。
マインドフルネスの解説は、こちらをご参照ください。
教えていただいたのは
伊藤絵美さん
Emi Ito
1967年生まれ。公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士。カウンセリングの専門機関「洗足ストレスコーピング・サポートオフィス」所長。クライアントへのカウンセリングのほか、企業研修やセミナー、ワークショップを積極的に開催。『セルフケアの道具箱 ストレスと上手につきあう100のワーク』(晶文社)など著書も多数。
「聞く」
耳を澄ませて音に集中する
聴覚を使うワークです。今いる場所で、聞こえる音をひとつひとつ確かめてみます。
冷蔵庫のファンの音、風の音、遠くの足音や話し声…。耳を澄ませてそれらの音に気づきを向けましょう。
くれぐれも、自分の感想を持ったり評価をしたりせず、音を客観的に感じるのがコツです。
音によるセラピーが話題
音楽など、音に癒しを求めるのは人間の本能でもあります。最近では、音を通じた瞑想やリラックス法を体験する会やワークショップも話題に。普段とは違う新鮮な感覚を体験でき、心身の不調の改善に役立つ方法としても注目です。
ゴング瞑想は海外でも人気
大きな打楽器、ゴングで奏でられる音をひたすら浴びる瞑想プログラム。リラックス効果があり、深い眠りに落ちる人もいれば、頭と体がすっきりし、仕事の効率が上がるという声も
音叉を使って振動数を調整
たたくと一定の振動数の音を発生するU字状の音響器、音叉(おんさ)を用いた音叉療法。心理学的・医学的に効果があるとされ、普及しつつあります。体に合った振動数の音を聞くことで、心身のバランスを調整。アロマテラピーと融合させた施術をするサロンも
イラスト/雨月 衣 指導・監修/伊藤絵美(洗足ストレスコーピング・サポートオフィス) 構成・原文/蓮見則子