五感を使って、その感覚に集中するワークを紹介してきた最終回になります。今回はレーズンなどひとくちサイズの食べ物を、大事に丁寧に味わう「食べるマインドフルネス」をご紹介します。
マインドフルネスの解説は、こちらをご参照ください。
教えていただいたのは
伊藤絵美さん
Emi Ito
1967年生まれ。公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士。カウンセリングの専門機関「洗足ストレスコーピング・サポートオフィス」所長。クライアントへのカウンセリングのほか、企業研修やセミナー、ワークショップを積極的に開催。『セルフケアの道具箱 ストレスと上手につきあう100のワーク』(晶文社)など著書も多数。
「味わう」
レーズンひと粒だけを丁寧に
味覚を使うワークで、「レーズン・エクササイズ」という有名なものがあります。ひと粒の干しぶどうを手に取り、眺めて嗅いで触って口に入れて、嚙んだりにおいを感じたり…。五感をフルに働かせて、飲み込むまでに10分から15分。大事に丁寧に味わう「食べるマインドフルネス」です。
ほかの食べ物や飲み物に応用できるので、やりやすいものを選んでOK。なるべくひと口で完結する、単純なもので試してみましょう。
レーズン・エクササイズのやり方
ひと粒を手に取り、じっくり観察。
においをよく嗅ぐ。
指で押したり転がしたりつまんだりして感触を楽しむ。
口に入れ、舌でつついたり転がしたりしてみる。
唾が出るのを感じる。
歯で嚙んで甘さや酸っぱさを感じる。
鼻から抜けるにおいも味わう。
咀嚼(そしゃく)して、細かくなったら再度味わう。
飲み込んだあとの味にも集中してみる。丁寧に実践を!
五感をフル稼働させるお風呂の入り方
入浴は五感を使う絶好のワークです。服を脱ぐ感覚に始まり、お湯の温度やソープのにおい、シャワーの音など、お風呂をめいっぱい味わい尽くしましょう
イラスト/雨月 衣 指導・監修/伊藤絵美(洗足ストレスコーピング・サポートオフィス) 構成・原文/蓮見則子