ゆったり流れていく雲に、頭に浮かんだことを乗せる練習をした前回。今回は空に浮かぶ雲から、ゆったりと川を流れる葉っぱに湧いてくる思いを乗せるイメージで手放す練習をしてみましょう。これらマインドフルネスのワークによって、つらい気持ちをうまく手放すコツがつかめるはずです。
教えていただいたのは
伊藤絵美さん
Emi Ito
1967年生まれ。公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士。カウンセリングの専門機関「洗足ストレスコーピング・サポートオフィス」所長。クライアントへのカウンセリングのほか、企業研修やセミナー、ワークショップを積極的に開催。『セルフケアの道具箱 ストレスと上手につきあう100のワーク』(晶文社)など著書も多数。
【川と葉っぱのワーク】
心理学では有名なエクササイズです。あなたは川岸にいて、ゆったりと流れる川を眺めています。そこに葉っぱが一枚、また一枚と、流れて来ては去って行くのを静かに眺めています。
そのイメージを保ったまま、今の自分の頭にある思いに目を向けて。浮かんできたこと(言葉でも映像でも)を葉っぱに乗せます。
葉っぱは勝手に流れていくので、あなたがやるのはポンと乗せることだけ。
「今日の仕事まだ残ってるんだった」→葉っぱに乗せる。→(文句を言う上司のイメージが湧く)→葉っぱに乗せる。
「なんであんな顔が浮かんだのか。嫌だな」→葉っぱに乗せる。→「帰ったらテレビを見よう」→葉っぱに乗せる。→「夕飯はギョーザが食べたい」→葉っぱに乗せる。
こんな具合に、せっせと乗せるだけ。葉っぱがたくさん流れすぎたら、イメージを最初からやり直しましょう。
イラスト/雨月 衣 指導・監修/伊藤絵美(洗足ストレスコーピング・サポートオフィス) 構成・原文/蓮見則子