イライラやうつは、中医学の心得で軽くすることができるかもしれません。つらいときや心が折れそうになったとき、逃げる選択や誰かに頼ってみる選択肢を持っておきましょう。
本当につらいときには
相手から逃げていい!
何かから逃げる…ということには、どうしてもネガティブな印象がつきまといます。
「でもね、目の前に熊が現れたら、あなたは戦いますか?(笑) それと同じことです。ストレスで押しつぶされそうになったら、それを我慢する必要はありません。逃げるのではなく、危機状態からの脱出です。しかも、つらいと思ったときが行動を起こすタイミングです」。
嫌な相手や状況から逃げることは恥ずかしいことではなく、選択肢のひとつです。
心が折れそうなときに
頼れる場所を作っておく
人に弱みを見せたくない、頼るのは苦手…という人もいて、そんなタイプほど一人で悩みを抱えて重症化しがち。
「しかし、食事がとれない、逆に過食に走る、眠れない…といった身体的な症状が現れたら赤信号。そうなる前に、家族や友人など素直に話ができる人に甘えるようにしましょう。
身近にいない場合は、メンタルケアや法律などの専門家、ボランティア団体など、プロのセーフティネットを利用するという方法もあります」
お話を伺ったのは
櫻井大典さん
Daisuke Sakurai
国際中医専門員、日本中医薬研究会会員。年間5000件以上の相談をこなす漢方専門家。アメリカ・カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を、イスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国で研修を修了し、国際中医専門員A級資格取得。著書多数
イラスト/midorichan 構成・原文/山村浩子