対人関係のイライラやうつうつは「中医学」の知恵で軽くできるかもしれません。イラッとした心を平穏に保つために、ストレス発散方法やクールダウンする方法を持っておきましょう。
自分も人も傷つけない方法で
ストレスを発散する
つねに心を平穏に保つためには、上手なストレス解消法を持つことが必須です。
「その基準は『自分も人も傷つけないこと』です。暴飲暴食は自分の健康を損ないますし、爆買いは家計に影響が出かねません。友人に愚痴るのも、その度がすぎたら、相手のストレスになります。
友人と楽しく食事をしたり、スポーツで汗をかく、自然の中を歩いたり、カラオケで熱唱するのもいいでしょう。自分なりの解消法を持っておきましょう」
イラッとしたら…
まずは深呼吸でクールダウン
「呼吸で、気を体の奥まで入れて吐き出し、滞った気の流れを動かします。上手に行うコツは『呼吸』の字のごとく、まずは息をしっかり吐ききること(呼気)。
その後はお腹の緊張を緩めれば、空気は自然と入ってきます(吸気)。
イライラしたり、心配事で心ががんじがらめになったら深呼吸を! 慣れたら、鼻から吸い込んだ息が背骨を通り骨盤に入るイメージを持ち、細く長く時間をかけて吐き出します。
これをゆっくり数回繰り返します」
期待を手放し、
伝えたいことは的確に!
何にこんなにイライラしているんだろう? と分析してみると、原因のひとつに、「相手が思うように動いてくれない」ことがあります。
「その裏には、言わなくても察してほしいという、自分の欲求が隠れています。しかし、他人は変えられないので、自分が変わるしかありません。
この際、『期待』は手放しましょう。やってほしいことがあったら、言葉にして的確に伝えること。過度な期待がなければ、ストレスに感じることも減るはずです」
お話を伺ったのは
櫻井大典さん
Daisuke Sakurai
国際中医専門員、日本中医薬研究会会員。年間5000件以上の相談をこなす漢方専門家。アメリカ・カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を、イスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国で研修を修了し、国際中医専門員A級資格取得。著書多数
イラスト/midorichan 構成・原文/山村浩子