知っておこう!
閉経後起きやすい「 11 のトラブル」
更年期~閉経後に起きやすい 11 のトラブルには、似たような症状でも更年期とは無関係な疾患の可能性もあるので、不調を感じたら、まず医師の診察を受けてください。
今回は、⑨認知症と⑩不眠についてです。
「女性のライフサイクルと健康トラブル」
⑨認知症
認知症の発症率は 男性より女性のほうが高く、
その確率は男性の2~3倍!
現在、日本における大きな社会問題のひとつとなっている認知症。認知症を発症するのは男性より長寿の女性に多く、その確率は男性の2~3倍にも及びます。これは閉経を機にエストロゲンの分泌量が激減することで、脳の機能が低下することも一因だといわれています。
エストロゲンは脳の神経細胞の修復をし、血流を増やす働きを持っています。また、神経伝達物質のアセチルコリンの合成に必要な、酵素の産生を刺激する作用もあります。認知症になりにくい体づくりには、適度な運動、バランスのよい食生活、脳トレ、質のよい睡眠など、生 活習慣全般での心がけが大切です。また、なかには認知症対策としてHRTを実践している人も。気になる人は、婦人科で相談してみるといいでしょう。
⑩不眠
寝つきが悪い、夜中に何度も起きてしまう、
眠りが浅い、朝早く目が覚める…
女性ホルモンが減ってくると、質のよい睡眠に欠かせないセロトニンやメラトニンの分泌も減少。その結果「寝つきが悪い」「夜中に何度も起きてしまう」「眠りが浅い」「朝早く目が覚める」など、不眠に悩まされる人が出てきます。しっかり睡眠がとれないと疲れが抜けないほか、風邪などへの抵抗力も落ちてしまうので注意が必要です。対策として、漢方やアロマテラピー、運動などがありますが、改善しない場合、医師に相談して薬を処方してもらうのも一案です。
次回は、⑪骨粗しょう症について詳しくご紹介します。
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/上田恵子