知っておこう!
閉経後起きやすい「 11 のトラブル」
今回は、トラブル⑪骨粗しょう症(後編)/発症リスクを下げる方法をご紹介します。
⑪骨粗しょう症
骨密度を上げ、転びにくい体づくりを
日々の生活で骨密度を上げると同時に、転ばない体づくりをすることも大切です。
教えてくださるのは、整形外科医の神保先生です。
無理のない範囲で実践を!
神保眞理子さん Mariko Jinbo

1955年生まれ。’79年、東京女子医科大学卒業。東京女子医科大学整せい形外科等を経て、2003年に神保整形外科を開院。日本整形外科専門医。日本リハビリテーション医学会認定指定医
撮影/ケビン・チャン
現在は、骨粗しょう症・骨粗しょう症予備軍と診断された場合でも、薬による治療で骨密度の数値を上げられるようになりました。とはいえ、今のうちから骨を丈夫にする努力をしておけば、発症リスクもそれだけ低くなります。
「骨密度を上げるには、タンパク質はもちろん、骨形成に欠かせないカルシウム、ビタミンD、ビタミンKが多く含まれる食品をとることが大切です。ビタミンDの生成を促すため、適度に日光を浴びることも忘れずに」と神保先生。
また、骨に軽い刺激を与えることも有効です。骨に刺激を与えると、破骨細胞から「新しく骨を作れ」という指令が出され、骨芽細胞が骨を形成する、というサイクルが生まれます。おすすめは「ウォーキング」。少し早足で歩いてもいいでしょう。日光を浴びることもでき、一石二鳥です。ただし膝に痛みがある人、肥満ぎみな人は、無理をせずに自分のペースで行ってください。
「骨密度アップだけでなく、転びにくい体づくりも重要です。 50 歳以降は転倒による骨折が急増します。とっさのときに対応できる柔軟性と筋力を養うことが、骨を守ることにつながるのです」
◆ウォーキング◆
ウォーキングは骨の代謝を促すのにも有効。
毎日続けることで骨密度がアップします

自分のペースでリズミカルに歩きましょう。少し早足でもOKです。ただし膝に痛みがある人、肥満ぎ みの人は無理をしないで
◆キャットストレッチ◆
背中の柔軟性をアップさせる効果のあるストレッチです。
姿勢の改善、反り腰の解消、首・肩コリの改善の効果も

1 床に四つんばいになり、両手は肩の真下、膝は股関節の真下に置きます。お腹を引き締め、背筋を 真っすぐ伸ばします。息を吐きながらおへそを見るように徐々にお尻から背中を丸めていき、最後に頭を下げて視線を床に落とします

2 お尻から頭に向かってゆっくり と背骨を伸ばしながら、スタート 時の姿勢に戻ります。その際、お 腹は引き締めたままで、腰を反ら さないように注意して。この流れ を5回繰り返します
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◆ジャックナイフストレッチ◆
体の柔軟性をアップさせるエクササイズです。
腰痛の予防や改善、ヒップアップ効果も期待できます

1 足を肩幅に広げてしゃがみ、膝と胸をつけた姿勢になります

2 両手で足首をつかんで、膝と胸が離れないようにしながら、ゆっくりと脚を伸ばしていきます。これ以上伸びないところで10秒静止し、元に戻ります。これを3~5セット行います
◆スクワット◆
大腿四頭筋(膝の曲げ伸ばしに使われる太ももの筋肉)に 加え、
お尻や太ももの裏の筋肉も鍛えられます

1 両足を肩幅よりやや広げて立ち、つま先を軽く外側に開きます

2 背後にある椅子に座るような気持ちで、腰を後ろに引きながらゆっくりと膝を曲げま す。その際、膝がつま先より前に出ないように注意して。そのままゆっくりと1に戻り ます。5~10回を1セットとして、1日2~3セット
※両手をテーブルに置いて行 うと安全です
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/上田恵子