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確実に100歳まで生きられるという「漢方的養生法」

樫出恒代

樫出恒代

漢方薬剤師・漢方ライフクリエーター。漢方カウンセリングルームKaon代表。Kaon漢方アカデミー代表。新潟薬科大学薬学部卒業後、一人ひとりのこころとからだにていねいに向き合う漢方カウンセリングを提唱。連載の味わいあるイラストは、本人によるもの。
美容家吉川千明氏との共著に「内側からキレイを引き出す 美肌漢方塾」(小学館)
OurAgeインタビュー「信じていなかった漢方の力に救われて、この道を究め続ける薬剤師」はこちら

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  • 桜のあとも
    春まっさかり
    つぎつぎに花が咲き誇り
    ついつい、その美しさに
    足がとまってしまいます

 

漢方薬剤師・
漢方ライフクリエーターの
樫出恒代です

 

 

春はスタートの季節

 

新しい年度が始まったり
学校の入学式や
新学期の始まり
新社会人としてのスタートをきる
初々しい姿も目立ちますね。

 

 

太陽の光もだんだん強くなり
「陽氣」〈明るく温かい氣〉
増えてくる季節。

 

だからこそ、前向きに毎日を過ごしたい、
でも、なんだか氣分がのらないわー
と家の中にこもっていると。。。。

 

さぁ、どうなる?

 

 

実は
季節それぞれの過ごし方、
それをちゃんと守っていれば、
確実に100歳まで生きられますよ、という教えが漢方の古い名著
「素問(そもん)」には書かれているのです。

 

 

それを難しい言葉では
「四氣調神大論(しきちょうしんだいろん)」
すなわち、
養生法のこと、なのです。

 

 

 

ここでいう季節は、

春は立春からの3か月
夏は立夏からの3か月
秋は立秋から、冬は立冬から

のそれぞれ三ヶ月のことです。

 

ただ、お住まいの地域によって
季節の流れは違います。
自分の感度を大事に

季節を捉えてくださいね。

 

 

 

次のページでは春と夏の養生法についてご紹介します。

① 春の養生法

樫出さん 春
春の三ヶ月を〈発陳 はっちん〉
と言います。

 

陳は古いもの
それが、発する、表面に表れる
外に出るとき。
それが春。

 

冬の間かくれていたすべてのものが、
芽を出し活動的になり始める時期。
陽氣〈温めるエネルギー〉の多くなる時期で、人のからだにも陽氣が多くなる時期。
夜更かしをしてもかまわないが、
朝は早く起きるように。

 

心身ともにのびのびと、しめつけず、
制限をつけず、
活動的な気持ち、明るい氣持ち、をもって
活動するのがいい時期です。
この時期に新しいことをスタートさせましょう。そして、周りの人にも
そんな勇氣を与えること。

 

この春の氣に逆らって、
静かに沈んだ状態で
こもっていると病気になります。

 

 

② 夏の養生法

樫出さん 夏

夏の三ヶ月を〈蕃秀 ばんしゅう〉
言います。

 

草木が成長し、万物が茂り花咲き乱れ、
陽氣が最高潮に達する時期。
この時期は夜は遅く寝て、朝は早く起きるように。

 

日中が長いけどなまけないようにし、
物事に怒らずに氣持ちよく過ごすこと。
一日一回は発汗するように心がける。
氣分的にも発散するようにする。
海や山なので、「ヤッホー」などと大きな声を出すこともよい。
また、いつもと違う場所に行くこと。
氣分転換になり、氣が変わる。
氣の発散につながります。

 

もし陽氣を発散しないと、
熱がこもって病気になることも。

 

身体内で陽氣の多い所は「心 しん」
〈心とは、心臓を含むその働き〉
熱の多い心にさらに熱がこもって
心臓を悪くする時期。
ですから、陽氣を発散しないと
身体に熱がこもり、暑さを感じやすくなり、
冷房や冷たい飲み物・食べ物を欲するようになります。それを続けると必ず下痢をし、
夏バテにつながります。

 

 

 

秋と冬、それぞれの季節に行ないたい養生法は?

③ 秋の養生法

樫出さん 秋

秋の三ヶ月を〈容平 ようへい〉
と言います。

 

万物が実を結ぶ時期。
実がなり、葉は落ち、空氣は澄んで
すべてが引きしまり収納される時期。
夏の間、勢いよく繁っていた
樹の葉も色付き、その後は地面に落ち
平らになる。
当然、陽氣も体内深く収納されます

 

この時期は早く寝て鶏とともに起きる。
あれもこれもやりたい、などと氣を多くもち、イライラしたり、
活動的になってはいけない。
また、何かをスタートさせてもいけない
この時期は片付けや整理整頓、
いらないものを処分するのにぴったり。
リフォームなどもよい時期。
美術館などにひとりでいき、
自分と向き合う時間をとること。

 

この時期に活動しすぎたり、しゃべりすぎたりして、陽氣を発散すると肺が弱まり、
冬になって体調をくずす。

 

 

④ 冬の養生法

樫出さん 冬
冬の三ヶ月を〈閉臓 へいぞう〉
と言います。

 

動物が冬眠するように、
雪がしんしんと積もるように
万物が静かに沈み消極的になる時です。

 

すべてが収納され、貯蓄されておく時期で、
「閉蔵」の文字通り、毛穴も汗せんも閉めておく時期、内臓もあまり動かさないように。
決して発散してはいけない時期。

 

この時期は早く寝て遅く起きる。
陽氣も深く貯蔵されているので、
心身共に活動的になってはいけない。
ですから、運動などで発汗することなどは、
絶対だめである。

 

もしこの時期に活動的になったり、
発汗したり、また、現代で言えば
パーティなどで騒いで
お酒を飲んで‪一時‬的に陽氣を多くすると、
その反動で冷えがすすみ「腎 じん」
〈腎とは腎臓を含む膀胱、耳などのはたらき・氣の貯蔵庫〉が悪くなります。

 

冬に無理をすると、春になっても陽氣が出てこなくなり、
必ず手足がだるくなります。

 

 

このように
漢方の季節養生の知恵は
私たちに教えてくれる。

 

季節を、毎日を大事に
生きていこうと。

 

 

春に体調不良でつらい方は、
冬の過ごし方に問題があるかもしれない。
冬なのに、汗をかきすぎていないか、発散し過ぎていないか。。、、

 

もちろん、この通りには、生活できなくても

 

頭の片隅に
漢方の知恵があるだけで
生きていくことが
健やかで
豊かに
なると思います。

 

その結果、100歳まで元氣で
生きていけるなら、こんなにしあわせなことはないですね。

 

 

さぁ、これからは、夏の養生をご参考に!

 

注:漢方薬については

漢方専門の医師や漢方薬剤師

漢方アドバイザーなどにご相談・

カウンセリングの上お飲みください。

 

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