親戚の築70年の家がこの度昭和レトロシェアハウスに大変身!先日オープンハウスがありました。今まで何度も取り壊して新築のアパートを建てる話がありましたが、病人が出たり、リーマンショックがあったりとタイミングが合いませんでした。そこに京都の町家や団地を再生したり、下町の銭湯をギャラリーに変身させたりと古いものを活かす建築家として若者から絶大な人気のB氏との出会いがあり、「都心に丸々一軒『三丁目の夕日』の建物が残っているなんて貴重な事です!なるべくそのまま再生しましょう」となったのです。
廃墟寸前?の家に小津安二郎監督の「東京物語」の世界が蘇りました。水回りは最新の設備に、各部屋にエアコンを設置しながらも、照明やダイニングの椅子などはアンティークショップで当時のものを調達。現存の欄間の手仕事や雪見障子、木の窓枠などは今作ろうとしたら大変なコストがかかるそうですが、必要なところのみメインテナンスが施されました。
オープンハウスには30歳前後の男女が来ていました。古いものが好きと言う共通の美意識を持った人たちで、皆「いい感じ」です。長く外国に暮らしていた会社員、カメラマン、編集者、来日するフランス人の代理人は写真を見せたら「此処こそ私が理想とする場所!是非行って来て」と言われたそうです。建築関係の人や取材の人たちも訪れました。
私たちが若い頃はイタリアモダンの全盛期、コンクリート打ちっぱなしの建物も流行りました。でも今はグローバル化が進み「日本の個性」に光があたっています。約25年前京都駅が立て替えられる時に内外の知識人から「古都の真ん中に鉄筋の塊のような建物を作る事に反対」の声が強く上がりました。私も署名運動に参加したことを覚えています。でも当時は経済効率優先。今なら東京駅の再生で歴史や個性を大切にすると、経済効率を上回る価値が生まれる事が証明されているのですが。
それにしても昭和レトロハウスにどんな人が住み、どんな暮らしをしていくのか興味津々です。今のところ従姉と「愛を感じるシェアハウス」にしようと、月一でタルトを焼いて届けることを計画しています。