中東の旅の締めはドバイ!そこで発見したのはアラブ女性のセクシーさです。
それまでの国では全く気づきませんでした。一般にアラブの女性はベリーダンスに象徴されるようなムッチリとした肉体(バレエのように脂肪を落とした研ぎ澄まされた体ではなく、贅肉とも言える柔らかい脂肪が腿や二の腕はもちろんのことお腹や腰周りにも付いている感じ)を真っ黒なコート「アバヤ」で被い、他人の視線から自分を消そうとします。
ところがドバイではアバヤの下から女性たちが可能な限りの自己表現にチャレンジしているのがはっきりと見えます。アバヤの下に着ている目の覚めるような鮮やかなプリントのドレスが歩くたびに覗きます。黒から垣間見える極彩色はそのコントラストが際立ちます。手には高級バッグを持ち、宝石が輝きます。若い女性は彫刻のような顔立ちにフルメイクを施し、その瞳やまつ毛は絹のように艶やかです。
頭のてっぺんから足の爪先まで「女」という華やかさを内側では爆発させ、それを真っ黒なベールやマントで隠しているのです。奥ゆかしさと派手さ、暗と絢が入り混じり、なんとも言えない秘密の味が湧いてきます。
「世界で最も色気を感じるのは絶対的にベリーダンスだ!」と言っていた男性友人がいますが、本場と思われるトルコの人にとってこれはとても迷惑な話だそうです。なぜならイスラム世界では「ダンスは心を惑わす行為」なのでトルコでは「ベリーダンス」は正統ではなく、カタールやドバイでは全く楽しむことは出来ません。
しかも「ベリーダンス(腹踊り)」というネイミングはアメリカが名付けた造語でアラブ世界には存在しない名前です。
いずれにせよ西洋の価値観に影響を受け育った私たちとは全く違う中東独特の「隠す美」に思わず魅せられたドバイでした。