OurAgeで実施した子宮筋腫についてのアンケート(※)には、実にさまざまな質問が寄せられました。特に40代以上で子宮筋腫を抱えている人たちの切実な悩みや困惑ぶりが気になる結果に。みんなが知りたい疑問や悩みを、2回に分けてご紹介します。
※2021年12月1日~2022年1月5日に実施したOurAgeアンケートに1011人が回答。回答者の平均年齢は48.9歳。
Q 子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症の3つを併発! もう子宮を取るしかないですか?
この3つが併発するのは意外によくあるパターンです。状態にもよりますが、できればセカンドオピニオン、サードオピニオンを受け、自分の気持ちと一致する先生に治療をゆだねたいもの。
検査結果や画像はコピーをもらい、何度も同じ検査をしないですむようにしましょう。
Q 筋腫の摘出手術。主治医は絶対に開腹手術、セカンドオピニオンでは腹腔鏡手術でできると言われました。なぜそんなに違うの?
その医療機関が手がけている方法にもよるのでしょう。例えば、小さな病院と大学病院では設備も技術も違います。
手術法のメリットとデメリットを自分なりに比較して、納得できる治療法を選ぶのが賢明。それでもまだ納得できなければサードオピニオンもおすすめします。
Q とっくに閉経したのに筋腫が大きくなっているみたい。閉経したら小さくなるんじゃなかったの?
徐々に小さくはなるものの、急に縮むわけではありません。大きさにもよりますが10〜15年かけて消えていくイメージです。
閉経後もホルモンの乱高下が続いている人のほうが多いので、その間は大きくなることもあります。
Q 筋腫を大きくしないために生活面で気をつけることは?
筋腫を大きくする要因は、エストロゲンのほかにはまだ解明されていません。ただ、どう考えても最低限必要なのは代謝をよくする、血流をよくする、便通をよくするなど。
漢方の考えで「瘀血(おけつ)(血流が悪くなった状態)を取る」といいます。栄養バランスを考えて食べる、添加物や加工食品をあまりとらない、適度に運動をする、湯船につかったり足湯で体を温めるなど、基本的なことを見直してみましょう。
Q 態度が強い医師。治療の選択肢はいくつもあるようですが、自分の希望を伝えるのに気が引けます。
医師が主導で患者に自己決定権がなかったのはひと昔前。今や、医療機関ではそれを悪しき慣習とし、患者本人が納得しない形では治療をしないという傾向になってきました。
特にコロナ禍で医師の態度も変わってきています。たとえ場所が遠くても、自分が受け入れられる治療法を探したほうがよいのでは? 嫌なものは嫌と言える勇気を!
Q 偽閉経療法をしています。これはいつやめられるのでしょう?
偽閉経療法やホルモン補充療法は、型にははめられないいわばマンツーマンな治療。いつやめるのかもとてもパーソナルなことです。
基本は閉経までですが、筋腫がどんな状態にあるのか、女性ホルモンの数値はどの程度かなど、定期的に観察してもらい、そのつど医師と相談してみて。
お話を伺ったのは
対馬ルリ子さん
Ruriko Tsushima
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座・新宿理事長。産婦人科医、医学博士。女性の生涯にわたる健康推進活動に積極的。『「閉経」のホントがわかる本 更年期の体と心がラクになる!』(集英社)が大好評。
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八田真理子さん
Mariko Hatta
産婦人科医。1998年、千葉県松戸市で女性のためのクリニック「ジュノ・ヴェスタクリニック八田」を開業。著書に『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』 (アスコム) など。
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イラスト/かくたりかこ 構成・原文/蓮見則子