Q. 更年期っぽい私の症状、病院に行って治るものなの?
A. 更年期の症状はさまざまな方法で治せます。できることがたくさんあることを知ってほしい
「日本では『更年期症状は病気じゃない』などと言われた時代が長かったせいか、不調があっても我慢する人が大多数。中には『婦人科に行っても治らないでしょ』と最初から決め込んでいる人もいるほどです。
人生100年時代、更年期の症状を放っておくと、悪くもないところに支障をきたしたり、不調が積み重なったり、その後の人生によくない影響を及ぼすことにも…。時代は変わっています。
特にHRT(ホルモン補充療法)をはじめ、その人の訴えに合わせた保険内治療やさまざまな対応が可能です。近くの婦人科で相談してもダメなら、オンライン診療という手もありますね。更年期のつらさは改善できるものと心得て、きちんと治しましょう」
婦人科でしてもらえる対応の例
●各種検査(女性ホルモン値含む)
おもに更年期による不調かどうか見極めるための検査。問診や血液検査などが行われます
●HRT(ホルモン補充療法)
女性ホルモンの揺らぎ・低下が確認でき、つらい症状がある場合の第一選択肢はHRT
●OC(低用量ピル)
閉経前、40代前半のPMS、月経コントロールなどには低用量ピルが使われることも
●プラセンタ注射
さまざまな症状に使われるプラセンタ注射。使う製剤によって保険適用にならないことも
●漢方薬
症状に合わせて一般的に処方されます。HRTとの併用も可能。保険適用が一般的
●症状に応じた薬の処方
不眠などの症状には睡眠導入剤、更年期症状による頭痛には鎮痛剤などの処方も
●エクオールなどのサプリメント
エクオールなどのサプリメントは薬ではないので“処方”ではありませんが購入はできます
●腟まわりケアアイテム
最近は、フェムケアアイテムもアドバイスの下、購入できるところも
●潤滑ゼリーやホルモン含有腟坐薬
更年期以降に多い性交痛の悩みなどには、専用の治療薬も用意されています
●医療機器による治療
腟まわりの症状には、レーザーなどの医療機器による治療も積極的に行われています
●カウンセリング
診療は問診時間が限られることが多く、カウンセリングが自由診療のことも
*上の内容は、更年期の治療に積極的な女性外来での例です。医療機関によって対応が異なるため、ホームページなどで調べてから受診するのが賢明です
Q. これまで婦人科に行ったことがないので、かかりつけの内科でもいいですか?
A. それでもOK。婦人科を紹介してくれることもあります
「婦人科に行ったことがなかった、婦人科に行くきっかけがつかめない…そんなときは内科でもいいのです。医療機関に行かないよりはましです。内科でも更年期に対応していることもあれば、そうではなくても『更年期の症状でしょうか…?』と相談してみたら、たいていは婦人科を紹介してくれることでしょう」
更年期には「正しい知識」が一番の味方になってくれます。その後の人生を楽しく健康にしてくれるのも知識です。(吉形玲美先生)
撮影/中川十内<アイキャッチ> スタイリスト/高橋尚美 構成・原文/蓮見則子