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【更年期、羽田美智子さんの場合。】50代をご機嫌に過ごすために、食事、運動、睡眠でセルフケア(インタビュー後編)

その年齢も、期間の長さも、症状の有無も。驚くほど個人差のある更年期。閉経する年齢も大きく異なります。大活躍しているあの人は、どんな更年期を体験しているのでしょう? それぞれの貴重なエピソードを、自身の言葉でお届けします。

51歳で閉経。その3年後に骨密度の急激な低下を指摘されて、更年期を実感したという羽田美智子さん。

そんな羽田さんのもうひとつの顔は「羽田甚商店」6代目店主です。「羽田甚商店」とは、自らが手がける美と健康をテーマにしたオンラインセレクトショップ。自身が使ってよかったもの、おすすめしたいものだけが紹介されています。羽田さんがこれまでにどんな経験をし、更年期にはどんなセルフケアをしているのか、参考になることばかりです。

 

羽田さんが閉経前後の体調について語ったインタビュー前編「閉経から3年たって骨量に変化が。骨粗しょう症の不安を感じています」はこちら

 

羽田美智子さん(55歳・俳優)

 

羽田美智子 更年期、私の場合

セルフケアの必要性から始まった、自身のオンラインショップ

若い頃は婦人科系の不調や病気には縁がなかった羽田さん。生理不順やPMSに悩まされることもなかったようです。

更年期に、急に骨量が減ってしまうまでの体調の変遷は?

 

「20代、30代は比較的問題なくきていたので、自分は丈夫だと過信してたんです。でも、30代後半でついに慢性疲労症候群になっちゃった。

その頃、自分の限界を超えるくらい仕事が忙しくて、休みをとってなかったんですね。休みがないのが自分の仕事だと思っていました、何の疑問も抱かず。今は、特にコロナ禍以降は、比較的休めるようになったんですが、以前は熱が出ようが倒れそうだろうが『とにかく現場に来てせりふだけ喋ってくれませんか』という世界でしたから」

 

微熱が半年も続き、体の異変を感じます。

 

「謎の体調不良。微熱だけでなく、風邪をひいてるわけでもないのに喉が痛かったり。風邪薬では治らないし、検査をしても数値は問題ない。結局漢方医院に行って、慢性疲労症候群とわかりました」

 

そして40代前半には、妊娠5カ月で流産という経験も。

 

「出血が本当にすごくて、自分でもこれは死ぬな、と思ったほどだったんです。体が紙のように軽くなっちゃって…。

 

30代後半からのいろんな経験で、更年期に入って骨が急に減って弱くなったのかもしれないです」

 

現在55歳。5年前、50代になる年にチャレンジしたことがあります。

 

「体が丈夫かといったら、もともとは丈夫ではあるけど、決して強いほうではない。体調よくご機嫌でいるためには、自分でメンテナンスをしていく必要がある。体調やメンタルが落ちているときにどうしたらいいのか、それは若いときからいつも考えていました。

だから『羽田甚商店』を始めたってところもあります。体調が落ちているときはやっぱり食べ物だなとか、睡眠がちゃんととれないときにはアロマだなとか。枕はこんなのを使ってみたらどうかな、パジャマはこれかな。そんなふうに自分のために集めたものをショップで扱っているんです。自分が使ってよかったものを皆さんに紹介したくて。

私のように困っている方がいらっしゃったら、私は病院にはなれないけども、病院ではしてもらえない手助けが少しでもできたらいいなと思って」

 

一昨年、お父さまが他界してからは実家のことに携わる回数が多くなりました。高齢のお母さまのことも心配で、一緒に住もうかと考えることも。

 

「更年期っていうのはそういうことですよね。自分だけじゃなく家族やまわりの問題でも心労が増える。

そういう時期だから、睡眠の質が悪くなったりします。毎日じゃなく日によってですけど、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなります。せりふのことが気になって不安になると、眠れない日も。思考型の人間なので仕方がないんですけどね。そんなときこそアロマオイルに頼ったりします」

羽田美智子 更年期、私の場合

 

更年期には無理をしない! 体調管理は食事、運動、睡眠で

 

食事にも羽田さん流のこだわりが。食べ物でいちばんこだわっているのは、体が欲しているものに敏感になること。体調を整えるためにパンをやめてご飯に替えたり、発酵食品である味噌を積極的にとるために味噌汁を欠かさないようにしたり。

 

「朝のルーティンは、歯を磨いてから最初にレモン水を飲むこと。水に無農薬のレモンを搾ったものをひと晩おいておいたものです。

その後、私は米食なので、朝食に冷凍してあったご飯をレンジでチンします。白米か、白米に雑穀を入れたものだったり、炊き込みご飯だったりいろいろです。

お味噌汁はほとんど毎日作りますね。具材は取り寄せしている季節の野菜。あとは漬け物に納豆とか卵焼きとか鮭を焼いたり。そんな感じで、目指せ、昔ながらの朝ごはんです。

お昼は仕事がある日はロケ弁です。複数種類あれば、比較的ヘルシーなものを選んで、コンビニでお豆腐を買い足したりして調整して。労働しているときは、とにかく体が一番だからきちんと食べるようにしています」

 

飲み物は、水筒をいつも持ち歩いているのだそう。

 

「緑茶とびわ茶、いつも2本持ち。緑茶はすぐ酸化して色が変わるので、朝の1時間くらいで飲み干しちゃいます。びわ茶は長年飲んでいるもので、葉っぱを丁寧に焙煎している珍しいタイプ。びわ茶にはポリフェノールが豊富に含まれているので、飲み始めてから体の巡りや肌の調子がよくなった気がしています」

 

運動はバランス重視。ドラマ収録中の今は、短い距離のウォーキングくらいにとどめて運動よりも睡眠を優先。余裕がある時期にしっかり運動をして体力づくり、と一年間の中でバランスを考えているのだそうです。

 

「作品に入っている時期は精根尽き果てるみたいな疲れを感じて。お芝居は体力勝負だから、普段から体づくりも大事だな、と。時間がある時期は、自宅でラジオ体操をしたり体幹トレーニングをやっています。はい、ジムには通っていません。本当は専門家の指導も大事なんでしょうけど、どこかに通うとなると前後も含めてけっこう時間がかかるので、その分一人でやったほうがいいな、と。運動は嫌いじゃないんです。腕立てとかけっこうやっちゃいますよ!」

 

若い頃とは考え方も変わってきた、と言います。

 

「当たり前のことですけど、若いときのように無理がきかなくなったので、『諦める』ということも大事だなと思います。

昔は欲だらけでした。もっとこうなりたい、こんなファッションもしたいし、こんな髪型もしてみたい、もっと有名になりたいし、もっといい仕事がしたい…ってね。

でも、もういいの。無理しない。そういう欲から解放されて、いいのいいの!って思えるようになってきました。もちろん欲がないと人間は進歩しないけれど、必要以上の欲を持たないとか、他人と比べないとか。そんなふうにいられるようになるとすごく楽ですよね」

 

●HAPPYに過ごす秘訣●

羽田甚商店  びわ茶と保冷ポット 羽田美智子
毎日持ち歩いている保冷ポットと、長年飲んでいる「びわ茶」ティーバッグ。「羽田甚商店」でも扱っています。

 

 

羽田美智子

Michiko Hada

1968年生まれ。俳優。’88年、デビュー。’94年の映画『RAMPO』のヒロイン役で「日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞。以降、映画やテレビドラマはもちろん、教養番組などでも幅広く活躍。2019年、美と健康をテーマにしたオンラインショップ「羽田甚商店」をオープン。自身が日本中を旅してきた中で見つけ、愛用し続けている食品、衣料品、アロマオイルなど、信頼するものだけを取り扱う稀少なお店。店名は’15年に150年の歴史に幕を下ろした実家の屋号を継承。

羽田甚商店 https://hadajinshop.co.jp/

Instagram: @michikohada

 

ブラウス¥18,700/ドレステリア 渋谷スクランブルスクエア店(ドレステリア)
パンツ¥4,950/ワールド プレスインフォメーション(THE SHOP TK)
シューズ・アクセサリー/スタイリスト私物

 

撮影/富田一也  ヘア&メイク/木下 優(ロッセット) スタイリスト/入江未悠 取材・文/蓮見則子

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