更年期に漠然と恐怖を感じている人も少なくないのでは? まずは女性ホルモンと更年期の深い関係について、正しい知識を持つことが大切です。
前回までの基礎編に続き、今回は「女性ホルモン素朴な疑問(更年期編①」です。
Q-10 更年期の始まりの体のサインは?
A:経血が減る、胸が痩せる、腟の乾燥など。
体の変化としては、経血が減る、月経周期が不規則になる、バストが痩せる、肌や腟の乾燥を感じるようになったら、更年期に入ったと考えられます。一度、婦人科で女性ホルモン値の検査を!
Q-11 何歳から低下するの?
A:45歳頃から急降下。
女性ホルモンの減少には個人差があります。閉経の平均が50歳頃で、その前後の10年間を更年期と呼びます。それを考えると、おおむね45歳頃から「そろそろペースダウンしてね!」という体からのメッセージが。その変化を受け入れて、生活スタイルを変えることが大切です。
Q-12 誰でも更年期になるの?
A:症状は個人差がありますが、必ず訪れます。
更年期になるとさまざまな心身の不調が現れます。この不調のことを「更年期」と呼ぶのだと勘違いしている人も少なくありません。更年期とは閉経を挟んだ前後の10年間をいうので、思春期があるように、誰にでも訪れます。
Q-13 更年期の診断基準は?
A:女性ホルモン値の指標を参考に!
エストロゲン(E2)やプロゲステロン(P4)が減少し、反対に卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)が上昇すると、卵巣機能の低下と判断。個人差がありますが、E2値20pg/mL以下かつFSH値40mIU/mL 以上が目安に。
Q-14 女性ホルモンが減ると何が起こる?
A:脳が混乱します。
更年期に入り女性ホルモンの急降下が起こると、働きが悪くなった卵巣をもっと働かそうと脳が興奮状態になります。この脳の混乱により自律神経が刺激され、さまざまな症状が現れるのです。
次回は、更年期症状は人によって違う? 軽い人と思い人の差は? など、「女性ホルモン素朴な疑問(更年期編②)」をご紹介します。
イラスト/坂田優子 取材・原文/山村浩子