かかと重心になると、お腹の力が抜けて猫背や巻き肩の原因に!
「骨盤底筋が弱る原因のひとつが、立つ・歩くときの足の重心です。かかと重心の人は骨盤が後傾し、胸も閉じてしまい猫背になりがち。
すると全体の姿勢がくずれてしまうので、結果的に骨盤底筋の力も落ちてしまいます。体はつながっているので骨盤底筋だけを鍛えるのではなく、足の重心位置の見直しのほか、足首やもも裏の柔軟性をチェックし、ストレッチを行うことも有効です」と教えてくださったのは、骨盤底筋の改善プログラムを指導している理学療法士の田舎中真由美さん。
もも裏の硬さをcheck!
「もも裏の硬さを確認するために、前屈してみましょう。このとき、お尻は真上に伸びていること。後ろにいかないよう注意。手が床につかない人は、もも裏が硬くなっています」
これやってない? 日常動作をcheck!
【立つとき】
「立つとき、歩くときは、1点にだけ重心をかけるのではなく、足の親指の付け根・小指の付け根・かかとの3点を感じるようにしましょう。大地をギュッと踏みしめているイメージを持つと、自然と3点に力が入ります」
【歩くとき】
OKの歩き方
「歩くときは、みぞおちから真っすぐビームを出すようなイメージで、真っすぐ前を見て歩きましょう」
NGの歩き方
「かかと重心の人は、みぞおちがつぶれて背中も丸まった状態で歩いています」
扁平足・外反母趾の人、足首が硬い人もストレッチを!
「外反母趾の人は、X脚になるので腰が落ち、反り腰になります。また、前屈でもも裏が硬かった人は足首も硬くなり、全体の筋力が落ちてしまうことに。どちらも骨盤底筋が上手く動かなくなってしまうので、足首や足のケアもしっかりしていきましょう」
【扁平足・外反母趾の人向けトレーニング】
1.椅子に座った状態で、片方の足の裏をのぞきます。
2.小指側から紐を引っ張っているようなイメージで足裏を自分の顔のほうに向け、持ち上げてゆっくり下ろします。同じ動きを反対側の足でも行います。できない人は、手で持ち上げていってもOK。
【足首〜ふくらはぎにかけてもみほぐし】
ふくらはぎの裏側を、膝下から足首にかけてゆっくりほぐしていきましょう。
手で上手くできない方はポール等に両足を乗せて左右に揺らして、ふくらはぎ裏の筋肉をリリースすることでもOKです。
立つとき、歩くときに指に意識がいっていないと、足裏のアーチもくずれ、扁平足になりがちです。
「指ごとしっかり地面につけることを、できるだけ意識してみてください。お腹を突き出して歩かないことも同時に気をつけると、かかと重心でお腹の力が抜けてしまうことから脱することができます」
【教えてくださった方】
臨床経験20年以上、1万5000人以上を診てきた理学療法士。専門は腰や骨盤まわりの痛み、産後の骨盤まわりの緩みや痛み、尿もれの改善
田舎中さんが所属するフィジオセンターは、腰痛や関節症、病後の不調などトラブルに対応する、理学療法士によるリハビリ&コンディショニングスペース。
撮影/編集部 ヘア&メイク/田代ゆかり(HAPP’S)取材・文/井尾淳子