性交痛にどう対処すればいい?
性交痛は更年期による腟萎縮が原因。セルフケアで予防はできるものの、「症状が出てしまった場合は治療をしなければ治りません」と喜田直江先生。さらに「若い頃から腟ケアが習慣になっていれば、年齢を重ねたときも、『あれ、乾燥して腟が硬くなっている気がする』とわかるので、早めに治療ができます。けれど10年20年単位で放置して来院される人はかなりカチカチになっていて、治療器具すら入らないことも」(喜田直江先生)。
つね日頃の意識の差が出てしまうところでもあるとか。クリニックで行う性交痛の治療には、レーザーやヒアルロン酸の注射、場合によっては女性ホルモンの補充をすることも。「レーザーでの治療を行うと、粘膜がふっくらして中が伸びやすくなります。またマシンでの治療と並行して、ダイレーターや腟トレボールなどを使って、自宅でも腟の中を広げていく指導も行います」(丹羽咲江先生)。
状態によっては、治療期間が長くなる性交痛。途中で挫折しないためには、二人三脚で治療をしてくれる、信頼できるクリニック選びも重要なポイントです。
細いものから順に太いものが膣に入るようにトレーニング。専用ポーチと下の潤滑ジェルがセット。丹羽咲江先生開発の製品。
ダイレーターWRセット¥9,680/ホワイトローブ
丹羽咲江先生開発の潤滑ジェル。腟内に合ったベストな粘度で作られ、スムーズな挿入をサポート。上のシリコンダイレーターとのセットでも単独でも購入可能。
ヴィスコジェル¥858/ホワイトローブ
ダイレーター挿入時におすすめのヒアルロン酸・乳酸配合潤滑ジェル。
使いきり&アプリケーター式潤滑ゼリーウェットトラストゴールド10本入り¥2,242/ハナミスイ
自分の腟圧を知りたい
市販の製品もあるけれど、より具体的に自分の腟圧が知りたい人は、クリニックの腟圧計で数値を出してもらいましょう。「腟の中に機械の先端を入れて力を入れてもらうと正確な数値が出ます。血圧計のようなイメージですが、中には腟圧が弱く、目盛りが全然動かない人も」(丹羽咲江先生)
「クリニックでは『ミズキュア』という腟圧を数値化するマシンを使って、平均的な腟圧があるかどうかを診断しています」(喜田直江先生・丹羽咲江先生)
なおえビューティークリニック院長。京都府立医科大学卒業後、産婦人科医を経て、形成外科医として多くの女性の悩みに応える婦人科形成専門クリニックを、2011年に開院
咲江レディスクリニック院長。名古屋市立大学医学部卒業。日本産婦人科学会専門医。2002年開院。性交痛などの相談、治療、フェムケアゾーンの情報発信を行っている
撮影/柳 香穂 構成・原文/井尾淳子