閉経前後の時期、つまり更年期に起こるトラブルとどう向き合うかはOurAge世代の課題です。はたして賢い選択とは?
対馬ルリ子さん Ruriko Tsushima
1958年生まれ。対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座理事長。
産婦人科医・医学博士。女性の生涯にわたる健康のために、
さまざまな情報提供や啓蒙活動を行なっている
人生100 年時代、更年期を素敵に過ごすコツ
更年期は、急激に減ったホルモン環境に適応できず、体の機能がギクシャクしている過渡期の状態です。それが過ぎ去るのをじっと耐えて待つのはもったいない、と対馬先生。
「急激なホルモン減少をなだらかにしてQOLを上げ、閉経後も元気に生きていくための手段があります。閉経前なら低用量ピル、閉経後であればHRT(ホルモン補充療法)に切り替えて、少量から始めてみましょう。人生100 年時代を楽しく前向きに生き抜くため、正しい知識を持って賢い選択をしてください」
閉経前:女性ホルモンの波を一定に
【OC(オーシー/低用量ピル)】
エストロゲンと、黄体ホルモン様作用のあるプロゲストーゲンが含まれた飲み薬。
ホルモン量を一定に保ち、体調を安定させます。避妊薬として認知されていますが、
女性特有のトラブル全般に有効です。副作用が怖い、太る、など誤った情報を
信じている人も多いですが、乳がんなど特定の病気中の人以外は安全に使えます。
閉経後:女性ホルモンを補って不調を緩和
【HRT(エイチアールティー/ホルモン補充療法)】
こちらは更年期の不調を根本的に改善してくれるもの。
体に足りなくなった女性ホルモン(具体的にはエストロゲン)を補う治療法です。
日本人はホルモン剤に忌避感がありますが、世界中で何十億人もの女性が
長年使ってきた実績のある治療なので、きちんと理解して選択肢のひとつに。
OCもHRTも保険適用が可能です。
閉経前後に急降下する女性ホルモン量。そのカーブを緩やかにして、
ソフトランディングさせるのがHRT。決して若いときの量に戻すわけではありません
[OCとHRTの違い]
ホルモンバランスを整えるOCと、エストロゲンを補うHRT。
HRTで1日に補充するエストロゲンの量はOCの5分の1程度。
閉経を機に、OCからHRTへ移行するのが基本
構成・原文/蓮見則子
【お知らせ】
この記事を監修していただいた婦人科医の対馬ルリ子先生と、2002年から一緒に「女性ホルモン塾®」を主宰してきた美容家の吉川千明さんによる最新刊が2020年9月4日(金)に発売!
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閉経の前後10年間の「更年期」に心身をおそうさまざまな不調をすべて洗い出し、その原因と対策をわかりやすく解説。
もちろん、更年期不調の治療法であるHRT(ホルモン補充療法)やOCについても詳しく解説。どんな人が受けられないか、治療を受ける前に必要な検査とは、そして気になるがんリスクの最新情報までご紹介しています。
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